2月20日の明治安田生命J2リーグ開幕戦で、ファジアーノ岡山とヴァンフォーレ甲府が対戦した。前半に甲府が先制したが、直後に追い付いた岡山が前半のうちに逆転。後半にも2得点を追加し、J2ホーム通算100勝目を挙げた。

上写真=失点直後に追い付いた岡山は42分、MF田中雄大(14番)が蹴り込んで2-1と逆転(写真◎石倉利英)

■2022年2月20日 J2リーグ第1節(@Cスタ:観衆6,554人)
岡山 4-1 甲府
 得点=(岡)川本梨誉、田中雄大、チアゴ・アウベス2
     (甲)松本凪生

・岡山メンバー◎GK梅田透吾、DF河野諒祐、柳育崇、ヨルディ・バイス、徳元悠平、MF本山遥(79分:喜山康平)、河井陽介(72分:佐野航大)、田中雄大、FW宮崎幾笑(79分:野口竜彦)、川本梨誉(62分:ミッチェル・デューク)、チアゴ・アウベス(72分:木村太哉)
 ※実際のポジションで表記

・甲府メンバー◎GK河田晃兵、DF浦上仁騎、山本英臣、野澤陸(72分:三浦颯太)、MF須貝英大、石川俊輝(84分:内藤大和)、松本凪生(60分:山田陸)、荒木翔、関口正大、長谷川元希、FWウィリアン・リラ
 ※実際のポジションで表記

前半と後半に連続ゴール

 この日の岡山地方は朝から強い風が吹き荒れ、試合前のイベントが中止になるなどの影響があった。試合が始まると少し弱まったものの、前半は雪がちらつくなど冷え込み、公式記録の気温5・6度よりも体感気温が低い中での戦いとなった。

 立ち上がりの5分、岡山はエリア内中央でロングパスを受けたMF本山が右足で強烈なシュートを放つも、甲府GK河田が好セーブ。セットプレーなどで際どい場面を作っていた甲府も、15分にFWウィリアン・リラが左サイドから右足で狙ったが、わずかに右に外れた。

 その後も、岡山の木山隆之監督が「攻めている時間もあるし、押し込まれる時間もある。どちらに流れが行くかな、というところ」と評した一進一退の攻防が続いたが、先にスコアを動かしたのは甲府だった。35分、中盤で岡山のパスワークに食いついたMF松本がボールを奪い、ウィリアン・リラへつなぐ。ウィリアン・リラが右サイドでDF2人をかわして折り返すと、エリア内に走り込んできた松本が左足で合わせてネットを揺らした。

 だが岡山は直後の36分、左サイドでFKのチャンスを得ると、MF田中がファーサイドへ長いボールを送る。DF柳がヘッドで落としたボールに反応したMF河井が相手をかわしてセンタリング、川本がヘッドで合わせて同点とした。

 さらに岡山は42分にもFKを得て、柳のロングパスにFW宮崎がヘッドで競り勝つ。エリア内でFWチアゴ・アウベスがキープしたボールがこぼれると、後方から走り込んだ田中が右足で蹴り込んだ。

 先制されながらも逆転して前半を終えた岡山は、52分に驚異のスーパーゴールで3点目を奪う。中盤のパスワークをカットしたチアゴ・アウベスが、前に出ていたGK河田の位置を見るや、自陣のセンターサークル付近から左足を一閃。低い弾道のボールが懸命に戻る河田の頭上を抜け、60メートル以上はあろうかという超ロングシュートが決まってリードを2点に広げた。

 さらに岡山は56分にも、宮崎-河井とつないで右サイドを崩し、河井のパスを受けたチアゴ・アウベスがワントラップから右足で蹴り込んで4点目。前半と同じような連続ゴールで突き放すと、その後は選手交代でフレッシュな選手を次々と送り込み、手堅い守備からカウンターで追加点を狙う。何度かあったチャンスを生かせず、逆にピンチもあったが、そのまま4-1で勝利を収めた。

 開幕戦を勝利で飾った岡山は、2009年のJリーグ参入後14年目にしてJ2ホーム通算100勝を達成。就任1年目で白星スタートを切った木山監督は、100勝の歴史の重みをかみ締めながら「もっとチームが強くなるように、もっとクラブが発展していけるように、全力を尽くしていきたい」と決意を新たにしていた。

現地取材・写真◎石倉利英


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