上写真=岩手の最前線で機能したブレンネル。うれしいJ2初勝利だ!(写真◎J.LEAGUE)
■2022年2月19日 J2リーグ第1節(フクアリ/5,588人)
千葉 0-1 岩手
得点者:(千)なし
(岩)宮市 剛
「ロングボールに対応するのが難しかった」と尹晶煥監督
中村太亮の左足から放たれた右サイドからのFKが、まっすぐの軌道を描いてゴール左へ。まったくのフリーになっていた宮市剛が右足のインサイドでていねいに当てて、ゴール右へ送り込む。GK新井章太が伸ばした左手をはじくようにして、ゴールに吸い込まれた。
いわてグルージャ盛岡のJ2初陣は、この26分の先制ゴールが決勝点になった。うれしい初勝利だ。
序盤はジェフユナイテッド千葉が落ち着いて試合を進めようとしたが、どちらも3-4-2-1の布陣で選手を並べたから、そこここにマンツーマンバトルが起こる序盤に。岩手が得意のセットプレーを駆使して、少しずつ優位に立っていった。そして生まれた見事な先制弾。
この後も35分に右CKから戸根一誓が逆サイドでまたもやフリーでヘディングシュートを放つなど、岩手のペース。追加点こそなかったが、安定していた。
残り45分でホームの千葉がどう逆襲するか、それを岩手がどう受け流してとどめを刺すか。後半の見どころはそこだったが、展開は大きくは変わらなかった。岩手のバランスが良く、千葉は尹晶煥監督がハーフタイムに「相手を揺さぶるプレーを」と促したが、なかなか相手のブロックの中に入れない。63分に左CKから新井一耀がヘッドで狙ったものの、ライン上で中村にかき出された。
千葉はさらに、サウダーニャ、米倉恒貴、高木俊幸を投入して、攻めのパワーを増やしたが、それでもゴールに迫りきれない。岩手はラインを下げすぎることなく、最前線でブレンネルが時間を作り、中盤では小松駿太が落ち着いて千葉のプレッシャーをいなし、最後まで崩れなかった。「シュートを打たれるような決定的なシーンを作られず、ラインコントロールしながら集中を切らさずにできた、価値ある後半でした」と秋田豊監督。
「開幕は難しいものですが、この勝利は選手の自信につながるものだと思います。これからJ2を戦う上で、心の支えになる1勝になりました」
秋田監督はかみ締めるように、勝利を味わった。
千葉は昨年から昇格組に勝てないというジンクスが繰り返されてしまった。尹晶煥監督は「相手のロングボールに対応するのが難しかった」と、積極的なプレスを頭上を超えるボールではがされる展開を悔やんだ。失点の場面については「準備をしなかったわけではないが、これからさらに準備する必要がある。ゾーンディフェンスなので、選手個人個人が注意してプレーしなければいけない」とマークのズレを大きな課題に挙げていた。
現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE