上写真=鈴木大輔は今年もキャプテン。豊富な経験で先頭に立つ(写真◎JEFUNITED)
「失点が少ないところは昨年から自信」
鈴木大輔は今年もキャプテンだ。昨年は新加入選手としてチームに入り込むことから始めたが、今回は迎え入れる立場として心を砕いた。
「ピッチ内でコミュニケーションを心がけました。コロナ禍でなかなかピッチの外で話す機会が少なくて、練習のときが一番しゃべれますから。ピッチの中ですり合わせていくときに口数が少なければ時間がかかるので、新加入選手も入りやすいようにみんなで練習中にしゃべっています」
2月11日のちばぎんカップでは、J1の柏レイソルを相手にシーズン前のスパーリングをこなした。結果は0-1。失点はミスからのカウンターだった。だがそれも「成長痛」のようなものだ。
「やられた形がカウンターからでしたが、こちらが少しずつボールを持てるようになってコントロールできる時間ができてきたので、そこで守備にほころびがないようにするのが課題です」
柏が相手でも、しっかりとボールを運んでゲームをコントロールしながら攻撃に出ていけた進化の裏返しでもある。
「リスクマネジメントのところは取り組んできました。攻撃の立ち位置を取るところと守備の危ない位置を埋めるのは、それぞれが判断していかなければいけないので、状況に合った行動ができるようにしてきました」
攻撃の進化が守備の整理を促し、守備の安定が攻撃のパワーにつながる。その好循環を感じている。
「表裏一体なので、攻撃でボールを持つところが良くなっていけば、守備も良くなってきますし、失点が少ないところは昨年から自信を持っています。数字では表せないと思いますけど、全員の意識として連動できれば」
その第一歩を記すのが開幕戦。相手はいわてグルージャ盛岡だ。クラブ史上初めてJ2で戦うだけに、気持ちを込めてくるだろう。
「昇格してきたチームのモチベーションは高いと思います。でも、それに対してこっちがうまいことやろうとは思わなくて、向こうのスタイルを分析した中で、特別視せずにやるべきことをやるだけです。開幕戦で難しい試合だし、硬さもあると思いますけど、その中でも雰囲気に慣れて相手がどうというよりも自分たちがやりたいことをやって、これまで良さを出せてきたところを開幕戦でも出せればいいと思います」
不動の心が頼もしい。ベテランの目には開幕戦勝利のポイントがはっきり見えている。
「序盤に硬さが残るときに、どれだけ落ち着かせられるか。失点しないことが大事です」