上写真=開幕に向けて準備を進めている新井章太(写真◎JEFUNITED)
少し話すだけで「ああ、そうだよね」と
約2週間のキャンプを終えた新井は「全体的には試合をやりながら徐々に開幕に向けてコンディショニングやフィジカル面について取り組めました。みんな、しんどい中でもきっちりやれていた」と充実感を口にした。新型コロナウイルスの影響もあり、選手が離脱を余儀なくされるなど、難しい状況もあったが、前向きな言葉を紡いだ。それは昨シーズン、13試合負けなしでフィニッシュした「ベース」が今季のチームにあるからだ。
「昨シーズンの最後の方、しっかりと良い守備からの攻撃ということができていた。それにプラスアルファ、戦術のところが加わった。積み重ねることがしっかりできたと思います」
多少の入れ替わりはあったものの、昨季の主軸がほぼ残留。築いたベースの上に、新しいものを積み上げていく作業が、今回のキャンプのメインテーマであった。「チームとしての狙いや、共通理解の部分は深まっている。昨シーズン、守備では守れたというのはありますけど、そこからの攻撃という部分がまだまだだった。全員でそこに矢印を向けられたのが今回のキャンプの成果かなと思います」。守備力に磨きをかけ、とりわけボールを奪ったあとの振る舞いを整備。攻撃力の向上に努めている。昨季は失点がリーグ2位の少なさだった一方で、得点力はリーグで12位の59点と振るわなかった。攻撃力アップが新シーズンのポイントだ。
「去年のキャンプに比べたらやることがはっきりしている。あとはコンディションを上げてすり合わせていくわけですが、それに戦術的なプラスアルファをしていくこと。去年よりは迷いなく入れている」
「少し話すだけで『ああそうだよね』という会話ができる。そこで新しい選手と既存の選手がすり合わせられれば、より強いチームにできるのではないかと思います」
現段階では「まだまだ」ではあるものの、チーム全体で素早く理解が進む状態にあり、それこそがチームの成長であり、進歩だろう。現状について新井はポジティブに受け止めている。
まさに、継続は力なり。チームが自覚するその「力」にしっかり攻撃力が加えられたとき、千葉はJ1復帰にグッと近づくことができるはず。チームはこの後、11日には柏レイソルとちばぎんカップを戦い、19日のJ2開幕戦(岩手戦)に向けて準備を進めていく。