2021明治安田生命J2リーグは12月5日に最終節を迎える。すでにジュビロ磐田の優勝と昇格、京都サンガF.C.の昇格が決まっている一方で、残留争いは最終節まで決着がついていない。最大で5チームが関係するこのバトルを整理しておこう。

上写真=残留を争う大宮と群馬が最終節で直接対決。前回対戦は1-1で引き分けている(写真◎J.LEAGUE)

J2が13時、J3が14時キックオフの難しさ

 J2とJ3の昇格・降格について抑えておかなければならないのが、J3のテゲバジャーロ宮崎の順位だ。宮崎がJ2ライセンス未交付で昇格できないため、2位以上になった場合はJ3からの昇格チームは1チームのみ、J2からの降格チームは3チームとなる。

 J3は15チームと奇数チームで争うため消化試合にばらつきがあり、その宮崎は11月28日の第29節ですでにシーズンを終えている。その結果、勝ち点53の宮崎が首位、52のいわてグルージャ盛岡が2位、51のロアッソ熊本が3位で12月5日の最終節を迎える。岩手は沼津とアウェーで、熊本はホームで岐阜と戦う。

 この3チームの順位決定の可能性は、以下の通りとなる。

岩手の結果(vs沼津)
熊本の
結果
(vs岐阜)
優勝:岩手優勝:熊本優勝:熊本
2位:熊本2位:岩手2位:宮崎
3位:宮崎3位:宮崎3位:岩手
優勝:岩手優勝:岩手優勝:宮崎
2位:宮崎2位:宮崎2位:熊本
3位:熊本3位:熊本3位:岩手
優勝:岩手優勝:岩手優勝:宮崎
2位:宮崎2位:宮崎2位:岩手
3位:熊本3位:熊本3位:熊本

 宮崎の順位に注目してみると、「岩手●、かつ熊本△●」で優勝、「岩手●、または熊本△●」で2位以上となる。

 これを踏まえてJ2の残留争いを整理していくが、すでに愛媛FCと松本山雅FCの降格が決まっており、残るは1チームか2チーム。最終節で関連する試合は以下が組まれている。

13時 大宮アルディージャ vs ザスパクサツ群馬 NACK
13時 京都サンガF.C. vs ツエーゲン金沢 サンガS
13時 東京ヴェルディ vs SC相模原 味スタ
13時 モンテディオ山形 vs ギラヴァンツ北九州 NDスタ

順位チーム勝ち点得失差12/5
16群馬41-19大宮
17金沢40-21京都
18大宮39-7群馬
19相模原38-18東京V
20北九州35-27山形
※愛媛、松本は降格決定
※J3最終節で宮崎の2位以上が決まれば、J2の19位は残留

 ここで難しいのは、J2がすべて13時キックオフなのに対し、J3はすべて14時キックオフだということ。つまり、先に試合が終わってJ2で19位になったクラブは、試合が終わってから1時間ほど待たなければ、残留か降格かが決まらないという状況を迎えることになるのだ。来季は最終節のスケジュールをJ2とJ3で揃えることが必要だろう。

■16位群馬の場合

 18位以上でフィニッシュすればもちろん残留で、19位で終わって、かつ宮崎が3位となり、降格が4チームになるパターンにのみ関係してくる。

 16位の群馬が迎えるのは、18位の大宮とアウェーで直接対決するという熱いゲーム。ここで引き分け以上で18位以上で残留が確定する。負けても(1)金沢が敗戦(2)金沢が引き分けて勝ち点で並んでも、得失点差で金沢を上回る(3)相模原が引き分け以下、であれば残留となる。

■17位金沢の場合

 群馬と同じく、19位で終わって宮崎が3位の場合に降格となる。やっかいなのが、相手が昇格を決定した京都だということ。京都は前節のアウェーゲームで2位を決めたため、最終節でホーム凱旋となる。勝利で昇格を祝いたいだけに、全力で向かってきそうだ。

 受けて立つ金沢は、以下の複雑な条件で残留となる。

(1)金沢が勝利
(2)金沢が引き分けた場合、以下のうち1つ以上満たしたときに残留が決定
   ・大宮vs群馬で群馬が勝利、または引き分け、または3点差以上で群馬が敗戦
   ・相模原が引き分け以下
(3)金沢が敗れた場合、以下のうち1つ以上満たしたときに残留が決定
   ・大宮が敗戦
   ・相模原が引き分け以下

■18位大宮の場合

 大宮も群馬と金沢と同様に、19位になれば、宮崎が3位になったときに降格の危険がある。上記のように群馬との直接対決のため、何が起こるかわからないが、以下で残留が決まる。

(1)大宮が勝利
(2)大宮が引き分けた場合、以下のうち1つ以上を満たしたときに残留が決定
   ・金沢が敗戦
   ・相模原が引き分け以下
(3)大宮が敗れた場合、以下のどちらかで残留が決定
   ・相模原が敗戦
   ・相模原が引き分けて勝ち点で並んでも、得失点差で相模原を上回る

 ここまでが現時点で残留圏内にいるチームの状況。降格圏のチームにもわずかながら残留の可能性は残されている。

■19位相模原の場合

 相模原には18位以上に浮上する可能性もある。一方で、20位の北九州とは勝ち点で3上回っていて、得失点差で-18と-27でも9ポイント優位ではあるが、数字上は順位が入れ替わる可能性もわずかながら残されている。

 まず、宮崎がJ3で2位となった場合は少なくとも19位になればいいので、下記となる。

(1)相模原が引き分け以上
(2)相模原が敗れた場合、以下のどちらかで残留が決定
   ・北九州が引き分け以下
   ・北九州が勝って勝ち点で並んでも、得失点差で北九州を上回る

 宮崎がJ3で3位となった場合は、18位以上になることが必要になる。

(1)相模原が勝利 ※大宮と群馬が直接対決のため、どちらかを上回るため
(2)相模原が引き分けた場合、以下で残留が決定
   ・大宮が敗れて勝ち点で並び、得失点差で大宮を上回る

■20位北九州の場合

 20位の北九州は、19位に滑り込んで宮崎がJ3で2位以上に入ることを願う戦いになる。19位の相模原は勝ち点38で北九州の35より3ポイント上。つまり、19位に入る条件とは、北九州が勝って、相模原が敗れて勝ち点で並び、得失点差で相模原を上回ることのみ。その得失点差は上記の表の通り、相模原の-18に対し、北九州の-27。9ポイントの差をひっくり返す必要がある。

 どのチームも条件はそれぞれ込み入っていて、しかも、上記のようにJ3のキックオフ時間のほうが遅いだけに、いずれにしろ勝利を目指して戦うことには変わりはない。


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