6月17日の明治安田生命J3リーグ第14節で、ガイナーレ鳥取とギラヴァンツ北九州が対戦した。立ち上がりから鳥取が優勢に進めて多くのチャンスを作り、後半も攻め続けたが、粘り強く守った北九州が試合終了間際、この日唯一の枠内シュートで決勝点を奪い、3月12日の第2節以来、約3カ月ぶりとなる勝利を収めた。

上写真=ボール支配率は鳥取が圧倒したものの、北九州はシュート2本のうち1本を決めて競り勝った(写真◎石倉利英)

■2023年6月17日 J3リーグ第14節(@Axis:観衆2,162人)
鳥取 0-1 北九州
 得点:(北)夛田凌輔

後半アディショナルタイムの決勝点

 朝から快晴で強い日差しが照りつけた鳥取地方だが、試合が始まる頃にはピッチ上にメインスタンドの影が伸び、涼しい風も吹くように。公式記録の気温は22・8度と、観戦には最適のコンディションで行なわれた。

 鳥取は布陣をこれまでの4バックから3バックに変え、立ち上がりから右のDF田中、左のMF文仁柱が高い位置に張り出してサイドから攻略を目指すが、ラストパスの精度の低さなどで決定機を作るには至らず。逆に20分にはカウンターで攻め込まれ、DF鈴木が相手のパスをカットしたボールがゴール方向に飛び、あわやオウンゴールというピンチがあった。

 その後は鳥取もチャンスを作るが、立ちはだかったのが北九州GK吉丸だった。25分に鳥取FW富樫のシュートがDF本村に当たり、逆を突かれたシーンをセーブすると、40分にはショートCK後のセンタリングからの鳥取DF飯泉のヘッドを、クロスバーの上にはじき出す。44分にはエリア内からの鳥取FW重松のシュートを、鮮やかに右手でセーブして失点を防いだ。

 0-0で折り返した後半は、さらに鳥取がボール支配率を高めて押し込む展開に。だが、フィニッシュにかかろうというところで突破を阻まれたり、わずかにパスが長くなるなどして、前半のような決定機を作ることができない。

 北九州はボールを奪った後のパスがつながらず、相手に寄せられて奪い返されるなど苦しい状況が続く。77分に敵陣の高い位置でボールを奪い、MF永野がエリア内右サイドから放ったのが最初のシュートで、これもニアサイドに外れた。

 試合終盤、鳥取は何とかゴールをこじ開けようとするが実らず、逆に試合終了間際、北九州が少ないチャンスを生かす。3分と表示された後半アディショナルタイムも終わりかけていた90+2分、右サイドでスローインを受けた永野がファーサイドへセンタリング。DF夛田がヘッドで合わせると、鳥取DF増谷に当たってコースが変わったボールがネットを揺らした。

 ザスパクサツ群馬時代の2013年、J2残留争いを強いられていたシーズン終盤に、このスタジアムで鳥取相手にゴールを決めて残留を確定させた夛田が、10年後に再び貴重な働きを見せた北九州が1-0で勝ち、3月の第2節以来3カ月ぶりとなる今季2勝目。シュート2本、枠内シュート1本という劣勢をしのいで勝利をつかんだ田坂和昭監督は「苦しい思いをしながら一緒に戦ってくれた皆さんに感謝したい。勝ち点3を久しぶりに取れたので、本当に彼らのおかげ」とファン・サポーターに感謝し、「気持ちを出して、最後まで走って勝ち点3をもぎ取った」と選手の頑張りを称えていた。

取材・写真◎石倉利英

▼出場メンバー
・鳥取:GK井岡海都、DF田中恵太(90+4分:遊馬将也)増谷幸祐、鈴木順也、飯泉涼矢、MF牛之濵拓、世瀬啓人、丸山壮大(81分:田村亮介)、文仁柱(90+4分:長井響)、FW富樫佑太(64分:東條敦輝)、重松健太郎

・北九州:GK吉丸絢梓、DF乾貴哉、村松航太、本村武揚、大石悠介、MF池髙暢希(67分:坂本翔)、岡野凜平(83分:長谷川光基)、野瀬龍世(83分:夛田凌輔)、永野雄大、平原隆暉(HT:山脇樺織)、FW中山雄希(59分:高昇辰)


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