明治安田生命J2リーグ第40節が11月20日、21日に各地で行われ、残留を勝ち取るために激しいバトルが繰り広げられた。降格圏内のチームではSC相模原がドラマチックな展開で唯一勝って、圏外へ。しかし、9ポイント差に9チームがひしめく展開は今節の結果でも変わらず、残り2試合の激戦へと向かっていく。

上写真=SC相模原は愛媛とのアウェーの直接対決を終盤の逆転劇で制して降格圏を脱出!(写真◎J.LEAGUE)

松本山雅FC 1-1 レノファ山口FC

 残留が決まっていないチーム同士の直接対決。14位の山口を迎えた22位の松本は、この試合の結果次第では19位以下が決まる状況だった。

 前半は伊藤翔の決定機などもありながら、ノーゴール。ただ、ピンチもGK圍謙太朗の好セーブで守って、0-0で折り返した。すると74分、右サイドで伊藤の縦パスを受けた安東輝が抜け出してマイナスのセンタリング、これをニアに入ったセルジーニョがワンタッチで合わせてニア上に突き刺し、見事に先制した。

 しかし山口は86分、同点に追いついた。左CKからファーで放った高井和馬のボレーシュートはGK圍がセーブしたものの、弾いたボールを渡部博文がプッシュ。1-1として勝ち点1をもぎ取った。

 追いつかれた松本の名波浩監督は「追加点への執着心が足りなかった」と嘆いたが、残り2試合で逆転可能な状況で踏みとどまった。山口も残留決定まで緩むわけにはいかない。

愛媛FC 1-2 SC相模原

 同じく21位愛媛と20位相模原の直接対決は、0-0のまま進んだ終盤に白熱した。先制したのはホームチーム。83分に左サイドをワンタッチパスの連続できれいに崩し、最後は途中から投入された19歳の唐山翔自がワンタッチでフィニッシュ、うれしいJ初ゴールで先制した。

 だが、ドラマはこれが始まりに過ぎなかった。89分に相模原は左から梅井大輝がゴール前にロングスローを送ると、愛媛の選手同士がぶつかりながらボールに触るとゴールにこぼれ落ちて、オウンゴールに。まさかの形で同点弾が生まれた。

 そして、90+6分だった。今度は愛媛の攻撃を食い止めたカウンターから相模原が攻め、オフサイドぎりぎりで飛び出した​中山雄希が成岡輝瑠のスルーパスを受けてGKをかわし、角度のないところから流し込んでついに逆転。2-1で奇跡的な勝利をもぎ取った。

 相模原はこれで勝ち点を37として、金沢と並んだものの得失点差で上回り、ついに降格圏を抜け出した。

ジェフユナイテッド千葉 2-0 ギラヴァンツ北九州

 19位の北九州はアウェーで完敗だった。ジェフユナイテッド千葉との対戦で、前半は0-0で折り返したものの、後半開始間もない54分にミスから攻め込まれ、最後は見木友哉に蹴り込まれてビハインドを負った。

 1点を返したい北九州だったが、またもミスが命取りに。ビルドアップでパスが弱くなったところを拾われてカウンターを浴び、左に展開されてから逆サイドへ送られたクロスをまたも見木に押し込まれて点差が開いた。このまま逆襲はかなわず。0-2で敗戦。20位に順位を落とした。

栃木SC 1-0 ツエーゲン金沢

 15位の栃木と18位の金沢。ともに降格圏外にはいるものの、予断は許さないチーム同士の直接対決だった。

 勝負を決めたのはセットプレーだった。35分に左からのFKに中央でヘッドで合わせたのは栃木。森俊貴の精度の高いFKに小野寺健也がうまくヘッドで合わせ、GKの伸ばした手の先を越えてゴール左に吸い込まれた。

 結局、これが決勝点に。栃木は順位は変わらないものの勝ち点を42に伸ばした。

大宮アルディージャ 1-3 水戸ホーリーホック

 17位の大宮は痛い逆転負けだ。

 開始10分で三門雄大の鮮やかなミドルシュートで先制し、幸先の良いスタートを切った。ところが23分、右サイド深くに進入されてラインを思い切り下げられ、最後は大宮のアカデミー育ちの松崎快に左足でたたき込まれて同点とされた。大宮がペースを握りながらも、前半飲水タイムの前に追いつかれたことで、水戸にペースを持っていかれることになった。

 すると前半のアディショナルタイムには、低い位置で奪われてショートカウンターを浴び、藤尾翔太に逆転弾を決められると、64分にも藤尾に抜け出されて落ち着いて流し込まれた。大宮も反撃するが実らず、1-3の逆転負け。順位は変わらないものの、降格圏までわずか勝ち点1差と迫られてきた。

ザスパクサツ群馬 0-0 アルビレックス新潟

 降格圏と4ポイント差はあるものの、16位の群馬も安閑としてはいられない。新潟を迎えたホームゲームでは、ボールを目まぐるしく動かす新潟の何度も危険なシーンを作られたものの、GK清水慶記が再三のファインセーブ。ゴールを守りきって、スコアレスドローに持ち込んだ。

 この勝ち点1で順位は変わらず、降格圏との差も3にまで縮んだが、残り2試合に勝負をかける。

J2残留争い 今後の対戦

順位チーム勝ち点得失差11/2812/5
14山口42-13甲府愛媛
15栃木42-14北九州琉球
16群馬40-19磐田大宮
17大宮38-7町田群馬
18相模原37-18松本東京V
19金沢37-22山形京都
20北九州35-26栃木山形
21愛媛34-28水戸山口
22松本33-34相模原長崎

 なお、4位のヴァンフォーレ甲府はブラウブリッツ秋田に2-0で勝利。引き分け以下であれば、前日にファジアーノ岡山と引き分けていた2位京都サンガF.C.の昇格が決まることになっていたが、次節以降に持ち越された。

 残り2試合で京都と甲府の差は6ポイント。得失点差は京都が28、甲府が26とほとんど変わらず、当該対戦成績は0-0、3-0で甲府が有利。京都が負け続け、甲府が勝ち続けるしかないが、最後の最後まで緊迫した争いになるかもしれない。

J2昇格争い 今後の対戦

順位チーム勝ち点得失差11/2812/5
2京都8228千葉金沢
3甲府7626山口水戸
※磐田は昇格決定

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