上写真=前線で存在感を示したピーター・ウタカだがこの日は無得点に終わった(写真◎J.LEAGUE)
■2021年11月20日 明治安田生命J2リーグ第40節(@シティ/観衆6,270人)
岡山 0-0 京都
得点:なし
激しく攻め合いタフに守り合う好勝負
京都は勝てば、自力でJ1昇格を決められる状況だった。いつも通りベクトルを前向きにした守備から攻撃を展開しようとプレーした。しかし岡山はその『攻撃的な』守備を幅と深さを使いつつ、いなしてみせる。プレスをかわし、積極的にボールを前進させた。
互いに後ろに重心をかけることはなく、あくまでゴールへ向かう姿勢を貫いた。相手のアグレッシブな出足に序盤は気圧された感もあった京都はしかし、時間の経過とともに本来の姿を取り戻す。岡山も岡山で序盤の勢いが衰えず、やがて両チームが持ち味を存分にぶつけ合う展開になっていく。切り換えの速さ、球際の激しさ、そして徹底したハードワーク。集中力も途切れず、時間の経過とともにますますボルテージが上がっていった。
それでも最後までゴールは生まれなかった。終盤、京都はウタカ、岡山はデュークが好機をつかむが決め切れず。ただ、スコアこそ動かなかったものの、積極性と連続性をピッチで示し、徹頭徹尾、気迫のこもったゲームになった。
岡山の有馬賢二監督は「昇格を争うチームとこれだけできるんだと示せました。選手が本当にタフにやってくれました。積み上げてきたところを出せました。胸を張っていいゲームだと思います」とコメント。11戦無敗という結果を導き、チームの確かな成長を感じさせた。
対する京都のチョウ・キジェ監督は「もちろんアウェーの地ですが、勝ち点3狙いにいきました。自分たちが今年の始まりからサッカーに向き合い、成長を目指す中で、神様からまたもう1週、2週、(昇格の)チャンスをもらったと思っています。岡山さんのファイティングスピリットとスタジアムの雰囲気が良かったですし、来ているお客さんも楽しめたのではないかと、清々しい気持ちです。こういう良いゲームをできたことが京都にとって非常に良かったと思います」と話し、「この勝ち点1は、一歩ないしは二歩、三歩進めた勝ち点1」と内容に胸を張った。
京都は明日21日に行なわれる甲府対秋田の結果次第で、J1昇格が決まる状況だ。「(そういう形で)決まったとしても、それは1年間、戦ってきた結果。ドキドキして待ちたい」とチョウ・キジェ監督は話したが、その一方で次戦を見据えて、しっかり準備を進めていくと強調した。
長く激しいJ2もいよいよ残り2試合。昇格がかかった試合で好勝負を演じたことを一つの自信として京都はさらに前に進んでいく。一方の岡山もまた、昇格秒読みの相手と互角に渡り合った事実を自信に変えて、いっそうの成長を誓った。両指揮官が口をそろえた通り、第40節の岡山対京都は、ゴールこそ入らなかったものの、今季のJ2の中でも指折りの好ゲームだった。