上写真=10ゴール目を決めた千葉の見木友哉(写真◎J.LEAGUE)
達成しなくてはいけない目標
試合を2日前に行なわれた囲み取材でも、決意を口にしていた。
「残り9試合ということを考えれば、2ケタ(得点)は達成しなくてはいけない、という感じです」
自身に課していた一つの目標を、大宮戦で達成した。熊谷アンドリューのパスに抜け出すと追いすがる相手をブロックしつつ、前進。GKとの1対1を制してネットを揺らした。
「ゴールシーンは(熊谷)アンドリューくんがダイレクトでいいパスを出してくれて。あとは落ち着いて流し込むだけでした」
本人はさらりと振り返るが、チームを勝利導く貴重なゴールだった。先制し、しかし追いつかれ、1-1で迎えたアディショナルタイム。チームを勝利に導く、値千金の決勝点だった。
チームは大宮戦に至るまで、4戦無敗。3勝1分けと好調を維持していたが、スコアを見ると、1-0愛媛、1-0群馬、0-0松本、1-0町田と、ロースコアで勝ち点を重ねた。目を引くのは守備の安定だ。
見木は「4試合で3点しか取れていないということで、攻撃陣からしたら物足りない。もちろんチームのやり方もあるので、そこで1-0で勝てるんだったら、1点でもいいとは思いますけど、個人的には複数得点を取れようにやっていきたい」と語っていた。まさに、有言実行。自ら複数得点を実現し、勝ち点3をつかみ取った。
2ケタ得点という目標はクリアした。残り8戦、その数字をさらに伸ばし、チームを一つでも上に導くことが次なる目標だ。
「昇格を目指してやってきて、可能性がある限り目指したいし、勝ち続けることで、一つでも上の順位にということはチームの目標であるので、そこも目指してやっていきたい」
J1昇格は、昇格圏の2位との勝ち点差が21ポイントあることを考えれば、現実的には難しい。モチベーションを保つことも困難に思えるが、見木もチームも上だけを見据えて戦い続けている。10得点は、その証し。5戦無敗は、その証左。シーズン終盤の戦い方を、来季のさらなる飛躍につなげるためにーー。見木は10ゴールの先、5戦無敗の先を求めていく。