上写真＝先制ゴールを決めた三戸舜介をみんなで祝福。久々の登場でしっかり結果を残したのは大きい（写真◎J.LEAGUE）
■2021年9月19日 明治安田生命J2リーグ第30節（＠味スタ/観衆4,752人）
東京V 1-3 新潟
得点者：（東）小池純輝
（新）三戸舜介、ロメロ・フランク、鈴木孝司
「強い気持ちでプレーしました」
前節、モンテディオ山形に1-2のスコア以上の完敗を喫したアルビレックス新潟は、もう一つも負けられない覚悟で東京ヴェルディ戦に臨んだ。山形戦から3人を代えながら、攻撃の組み立て方にも微調整を加えていた。アルベルト監督の説明。
「右は三戸（舜介）が幅を取り、守備に課題もあるのでその後ろにセンターバックもできる早川（史哉）を右サイドバックで起用してバランスを取りました。左はサイドバックのゴメス（堀米悠斗）が幅を取って攻撃を構築しようとしました」
右はサイドハーフが、左はサイドバックがワイドに開き、攻撃時には3-4-3に近い並びになってサイドから押し込むアタックだ。三戸は細かいステップとクイックネスで相手を幻惑するドリブラー。開始わずか3分、その才能を披露する。左からカットインしてミドルシュート。左足のキックの強さも持ち味だ。
すると12分に同じような形から先制する。左からの高木善朗のクロスがGKマテウスにはじかれるが、このボールを拾うとそのまま相手2人をかわして中央に進んでから左足でシュート、DFに当たってコースが変わる幸運もあったが、ゴール左に転がり込む先制ゴールになった。
三戸のプロ初ゴールは3月のことだったが、相手はこの日と同じ東京V。しかも、同じく右からのカットインのあとの左足のミドルシュートだった。今季のゴールそのものもそれ以来のこと。
「Jリーグ初ゴールも相手がヴェルディで左足で、というのはちょっと感じていました」と本人も相性の良さを感じる一発になった。
およそ2カ月半も公式戦から遠ざかっていたから、強い思いが自らを突き動かした。
「最近は出場がなかったので、やってやろうと積極的な気持ちで臨みました」
「今日はシュートやゴールを意識していたので、それが結果に出てよかった」
「起点というか、いいプレーができたのでよかった」
「久しぶりの試合で結果を残さないとメンバーに残れないし、試合に出られないと思っていたので、強い気持ちでプレーしました」
次から次へと前向きな言葉が出てくる。だが、まだ昇格まではたどり着いていないし、三戸自身もルーキーイヤーの今季、2点しか決めていない。
「この得点に満足せずに、練習からやっていきたい」
残りは12試合。三戸のようなラッキーボーイの存在こそが、昇格という大きな目標へのブーストになる。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE
