9月19日の明治安田生命J2リーグ第30節では、東京ヴェルディとアルビレックス新潟が対戦。3月の第5節では7-0で新潟が勝っていて、東京Vにとってはそのリベンジを果たしたいホームゲーム。新潟が2点をリードしたあと、東京Vが1点を返してからは猛攻を仕掛けたが、新潟がなんとかしのいで逃げ切って4試合ぶりの勝利を手にした。

上写真=90分にダメ押しの3点目を決めた鈴木孝司がアルベルト監督と熱い抱擁。3月の東京V戦以来のゴールに万感の思いがこもった(写真◎J.LEAGUE)

■2021年9月19日 明治安田生命J2リーグ第30節(@味スタ/観衆4,752人)
東京V 1-3 新潟
得点者:(東)小池純輝
    (新)三戸舜介、ロメロ・フランク、鈴木孝司

画像: ■2021年9月19日 明治安田生命J2リーグ第30節(@味スタ/観衆4,752人) 東京V 1-3 新潟 得点者:(東)小池純輝 (新)三戸舜介、ロメロ・フランク、鈴木孝司

「積極的に前へ、ゴールへと向かう形を作っていこうと」と堀監督

 J1昇格争いの視点では、9月18日に京都サンガF.C.がモンテディオ山形に2-0で勝って首位に再浮上、ジュビロ磐田はファジアーノ岡山に1-1で引き分けて2位となり、ヴァンフォーレ甲府が大宮アルディージャを1-0で下して暫定3位へ浮上、FC町田ゼルビアとV・ファーレン長崎は3-3で引き分けて同4位と同5位、FC琉球はザスパクサツ群馬に0-1で敗れて同7位という結果になっていた。

 そんな順位の変動がアルビレックス新潟にどんな影響を与えるのか。東京ヴェルディとのアウェーゲームでは前節からメンバーを3人入れ替えて勝負に挑んだ。

 その「新メンバー」の一人が三戸舜介。7月3日以来、2カ月半ぶりの出場だったが、のびのびとプレー。右サイドハーフに入ってボールを足元に受けるとカットインからの左足シュートで脅かし、14分にはその形から先制ゴールを挙げてみせた。

 新潟は首尾よく追加点も挙げる。後半開始早々の52分、カウンターから高木が右サイドを抜け出してセンタリング。逆サイドから思い切り走り込んでいったロメロ・フランクが確実に決めて、リードを2点に広げた。

 東京Vも黙ってはいない。特に石浦大雅の左足がチャンスを作り出し、前半から何度も新潟守備ラインの裏に鋭いパスを突き刺し続けた。21分には小池純輝を右前に走らせ、シュートがポストを直撃するチャンスも作った。

 その東京Vが反撃のゴールを決めたのが58分。後半から活性化した左サイドを抜け出した杉本竜士がペナルティーエリアの中で倒れてPK。これを小池純輝が確実に決めた。ここから緑の総攻撃が始まる。堀孝史監督は攻撃的なカードを次々に切って「あの時間帯で1点リードされていてホームなので、リスクはありますけれど、積極的に前へ、ゴールへと向かう形を作っていこうと思っていました」と攻撃の意思をピッチに伝え続けた。

 特にその左サイドは杉本に代わって入った新井瑞希が外側を、福村貴幸が内側を制圧して崩しにかかる。そこから中央で端戸仁が何度もフィニッシュに関わるなど、圧倒していった。右サイドも好調の小池純輝が前半からサイドバックの裏を取り続けて、新潟を押し込んでいった。

 しかし、どうしても1点が奪えない。90分にはGKマテウスとDF若狭大志のパス交換でミスが出て、そこを鈴木孝司が奪って無人のゴールに流し込み、新潟が3-1として勝負を決めた。

 昇格へ向けて一つも落とせない試合で、苦しみながらも勝ちを拾った新潟は、アルベルト監督が「ペナルティーの前と後でわけられる」と話したとおりの展開に。「ペナルティー前」では「いい形でコントロールできていた」と振り返ったが、1点を返されたあとは押し込まれ続けて耐える時間が長く続いた。それでも「選手の戦う姿勢を称えたい」と戦術的や技術的な内容以上に、昇格へ向けて勝利への意欲を態度で表現したことを勝ち点3の大きな理由とした。

 新潟はこれで再び3位として、2位磐田との勝ち点差は9となった。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


This article is a sponsored article by
''.