9月11日の明治安田生命J2リーグ第29節で、レノファ山口FCとFC町田ゼルビアが対戦。お互いにチャンスを生かせないまま迎えた試合終盤、町田は交代出場のFWドゥドゥが決勝点を挙げ、今季2回目の3連勝で4位に浮上した。

上写真=町田がホーム2連勝中だった山口を敵地で下し、3連勝を飾った(写真◎石倉利英)

■2021年9月11日 J2リーグ第29節(@みらスタ:観衆2,369人)
山口 0-1 町田
得点:(町)ドゥドゥ

・山口メンバー◎GK吉満大介、DF菊地光将、渡部博文、ヘナン(86分:大槻周平)、MF川井歩、佐藤健太郎(66分:神垣陸)、田中渉(78分:河野孝汰)、石川啓人(86分:桑原海人)、池上丈二、島屋八徳(66分:高井和馬)、FW草野侑己
 ※実際のポジションで表記

・町田メンバー◎GK福井光輝、DF奥山政幸、深津康太、高橋祥平、三鬼海、MF髙江麗央、佐野海舟、吉尾海夏(68分:岡田優希)、長谷川アーリアジャスール(87分:水本裕貴)、太田修介(79分:鄭大世)、FW中島裕希(68分:ドゥドゥ)

すべて完封で3連勝

 試合前はスタジアム上空に黒い雲も見えた山口地方だが、雨は降らず。試合中は心地よい微風も吹き、観戦には最適のコンディションだったが、湿度は公式記録で77パーセントと高く、両チームの選手は汗だくでボールを追いかける一戦となった。
 立ち上がりから町田が積極的な守備でボール支配率を高め、押し気味に進めるものの、山口もFW草野の力強い突破などでゴールに迫る。20分には左CKをDFヘナンがヘッドで合わせたが、惜しくも右ポストに当たって決まらなかった。

 29分には町田がビッグチャンスをつかんだ。MF太田が左サイドからドリブル突破を図り、エリア内でヘナンに倒されてPKを獲得。太田が自らキッカーを務めたが、左下スミへのキックは今季初先発の山口GK吉満が鮮やかにストップした。

 その後は後半にかけて山口も落ち着いてパスを回す時間が増え、じわじわとゴールに迫るも、町田も最終ラインが高い集中力を保ってチャンスを作らせない。両監督は活発な選手交代で流れを引き寄せようと試み、後半の飲水タイムが終わってからは町田がボールへの圧力を強め、少しずつ良い形を作り始めた。

 ついにスコアが動いたのは、終盤に入った84分だった。町田がカウンターで攻め込み、山口も対応してDF菊地がクリアしたが、町田DF深津がはね返して再度カウンター。MF髙江が右サイドにつないでMF岡田が折り返し、最後はファーサイドでフリーになっていた交代出場のFWドゥドゥが、右足ボレーで蹴り込んだ。

 先制された山口は懸命に同点を目指したものの、町田の堅守は最後まで崩れず、そのまま1-0で勝利。ヴァンフォーレ甲府を3-0で下した前々節、ツエーゲン金沢に4-0で快勝した前節に続き、3試合連続の完封で今季2回目の3連勝を飾った。

 首位のジュビロ磐田、2位の京都サンガF.C.がそろって勝利したため、昇格圏内との勝ち点差は10で変わらなかった町田だが、5位から4位に浮上。「こういうタフな試合になるという覚悟を持って我々は臨んでいた」と振り返ったランコ・ポポヴィッチ監督は、「最後まであきらめず、足を止めず、本当によく戦ってくれたと思う。それが勝ち点3をもたらしてくれた。全員で勝ち取った貴重な勝ち点」と選手たちを称えた。

現地取材・写真◎石倉利英


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