上写真=新井章太は前節の「リスペクトしすぎた」反省を新潟戦にぶつける(写真◎J.LEAGUE)
センターバックを走らせる
モンテディオ山形の次にアルビレックス新潟。ジェフユナイテッド千葉の再開後の対戦順には、もしかしたら意味があるかもしれない。上位陣、しかもボールを大事にするポリシーを持つチームとの連続対戦。山形戦は1-3で敗れてしまったのだが、そのホットな反省はそのまま新潟にぶつけることができる。
「後ろに重すぎたというか、相手の攻撃をリスペクトしすぎて完全に守備に回ってしまったのが一番」
最後尾から鼓舞したGK新井章太は、山形との90分を一言で表せばそう見た。単に相手に上回られたのか、それとも意識で変えられるのか。
「考え方ですかね。1週間、準備をした中で、インサイドハーフの選手がサイドバックに行くとああなってしまうと思います」
相手のサイドバックが攻撃参加してきたときの対応で、微調整が必要だということだ。3-4-3システムが安定してきたが、相手が4バックであればミスマッチが起こり、サイドの攻防における駆け引きが重要になってくる。
「勇気を持ってウイングバックから動かせたら、もっともっと流動的な守備ができると思います」
新潟も両サイドバックは攻撃的だ。右の藤原奏哉、左の堀米悠斗とも、高い位置でボールを足元に置いてポイントをつくり、外からでも中からでも進入してくる。
「相手もそうだと思うのですが、3バックと4バックで戦うときには捕まえにくいところがあります。向こうのサイドバックにはウイングバックがつくのかインサイドハーフがつかむのか。相手からすれば、こちらのウイングバックにサイドハーフがつくのかサイドバックがつくのか。そこにズレが生じてくるので、取り合いになります。だから、攻撃に行ったときにどれだけ戻せるか、という細かいところまでやっていかないと、ウイングバックは機能しないと思います」
サイドを制することができれば、後ろに重たくならずに前に出ていくことができる。そうすれば、攻撃でも主体的に仕掛けることができる。狙いはそこだ。
「舞行龍(ジェームズ)選手にしろ千葉(和彦)選手にしろ、あのセンターバックをサイドに引き出せるか、走らせられるかが大事になってきます。しっかりサイドに出させて真ん中を開ける作業をしなければいけない」
舞行龍と千葉は新潟のビルドアップの起点にもなっていて、彼らがパス交換のために開いたポジションを取らせたり、あるいはサイドのカバーリングに回らせることで、中央にスペースを作ることが狙いの一つ。そのためにもやはり、サイドの攻防を制したい。
そして何より、リスペクトしすぎないこと。
「1対1でも守れるようにしなければいけません。スペースを消してもボールは一つ。それを勘違いしちゃいけないと前節で改めて気づかされました」
昨年はホームで完敗を喫している、そのリベンジのためにも、サイドを制す。