上写真＝松田天馬は相変わらずのタフネスぶりで90分戦い抜いた（写真◎J.LEAGUE）
■2021年7月17日 明治安田生命J2リーグ第23節（＠サンガS/観衆7,949人）
京都 1-1 新潟
得点者：（京）荻原拓也
（新）高木善朗
「我慢するのも京都の良さです」
3試合ぶりの首位返り咲きだ。京都サンガF.C.が3位のアルビレックス新潟を迎えた7月17日のJ2第23節。荻原拓也の「恩返し弾」で先制し、後半に追いつかれたものの逆転までは許さず、見応え充分の90分を1-1のドローで終えた。ジュビロ磐田が敗れたため勝ち点で並び、得失点差で上回ってトップに立った。
ただ、松田天馬は意に介さない。「積み重ねた結果が出たと思います。間違いなく信じて続けていい」と自信を深めるのと同時に、「まだ気にしなくていいことだと思いますし、目の前の試合に取り組むだけだと思います」とスタンスは変えない。
試合は京都が序盤から自慢のハイプレスを仕掛けて、新潟の技術を封じ込んだ。前半はほとんど何もさせない展開に、松田も「最初からインテンシティが高かったですし、やっていて楽しい試合でした」と純粋にバトルを楽しんだ。34分の先制ゴールのシーンでも巧みにスペースメーク。ピーター・ウタカのポストプレーの瞬間に中央に流れてマークを引き連れ、左サイドを空けた。そこにボールが出て、走り込んだ荻原拓也が左足を振り抜くリーグ初ゴールが生まれた。
ただ、完全なスタミナ切れは起こさなかったものの、後半は全体的に少しずつ足が重たくなった。
「前半は非常にいいゲームで、相手陣地でサッカーをやれていました。後半は押し込まれましたけど、我慢するのも京都の良さです。押し返したかったけれど、良さも出ました」
前へ前への意欲は、単にがむしゃらに攻めだるまになるためのものではない。逆に押し込まれて下がっても決して失わない、意識の上でのアグレッシブさである。
「僕たちのサッカーは攻撃的で、リスクを負って攻撃しています。そこを狙われているけれど、全力で戻れば守れます。それも京都の強さです。共通認識を持っているので、（空いたスペースに）出されても安心して守れるのは自分たちの強みです」
新潟の後半の猛攻にも「特に変えないでやりましたし、十分通用していたのではないかと思います」と平然。あわやPKのシーンにも関与していたが、相変わらずの豊富な運動量と自信たっぷりのプレーぶりで90分を戦い抜いた。
今季、京都に加わってキャプテンに任命され、22試合中、21試合で先発しているチョウ・キジェ監督の秘蔵っ子。残り19試合も、変わらず駆け抜けるつもりだ。
写真◎J.LEAGUE
