上写真＝メンデスが89分に2-2と追いつくゴールを決めて雄叫び！（写真◎J.LEAGUE）
■2021年6月5日 明治安田生命J2リーグ第17節（＠JITス/観衆5,756人）
甲府 2-2 新潟
得点：（甲）泉澤仁、メンデス
（新）谷口海斗2
「思い切ってボールを当てるイメージしかありませんでした」
ヴァンフォーレ甲府の守備の番人が、貴重な勝ち点1をもたらすことになった。
アルビレックス新潟に1-2と逆転されたまま迎えた89分だった。左サイドからのロングスローはクリアされるが、回収して左サイドに展開、駆け上がった荒木翔がクロスを送った。舞行龍ジェームズがヘッドで触ったボールが逆サイドに流れ、メンデスが胸トラップ、これが千葉和彦に当たってもう一度、メンデスの目の前にこぼれてきた。利き足とは逆だったが右足を振り抜くと、次の瞬間、ボールが心地よくゴールネットを揺すっていた。
「クロスから自分のところにボールが来て、コントロールできたのでごちゃごちゃな感じだけれど、うまくない右足で決めることができてうれしかったです」
殊勲の背番号40はにっこり笑った。
「思い切ってボールを当てるイメージしかありませんでした。外してはいけないと思ったので入ってよかった」
決まった瞬間、思わず雄叫びを上げた。
21分に相手ミスから泉澤仁が先制しながら、35分、56分に決められて逆転されていた。5-4-1のコンパクトなブロックを組む甲府の守備の要であるだけに、メンデスは2失点の挽回を狙っていた。それが最後にパワープレー気味に圧力をかけて実ったのだ。
「難しいゲームで同点ゴールを決めて、ここまで負けなしが続いていたので、最低限の勝ち点1を取れたのは大きいと思います」
これでここ7試合で4勝3分けと、5月以降負けがない。もちろん、首位の新潟に勝ってその差を縮められなかったことで、伊東彰監督も「勝ち点2を失った」と悔やんだが、そう言えるのもメンデスの貴重な同点ゴールがあってこそ。
「難しいゲームでした。相手もなかなかすき間がないし、うまいチームでした。どちらが勝つかわからない状態でしたが、最後に決められて結果につながって、この勝ち点1は大きいと思います」
前節で京都サンガF.C.に、今節は新潟にと、首位チームに2試合連続で粘リ強く引き分けた。次は3位のジュビロ磐田が相手だ。
「次はアウェーですし、手強い相手です。大事なのは細かいところですね。今日の失点になったようなところです。スキを与えないように準備していきたい」
まずは「本職」の守備の課題を生かして、上位陣3連戦を気持ちよく勝って締めくくりたい。
写真◎J.LEAGUE
