上写真=岡山戦でホーム初勝利を狙う尹晶煥監督。得点力アップが必須だ(写真提供◎ジェフユナイテッド千葉)
「アイディアを臨機応変に使えれば」
攻撃と守備はきれいに二つに分かつものではないが、多くの人に説明するなら分けた方が伝わりやすい。だから、ジェフユナイテッド千葉の尹晶煥監督も「守備は安定してきているところもあるので、続けてやらないといけないですね。攻撃では最後の精度、決定力のところがまだまだ足りないと思います」という表現をする。
失点11はリーグで6番目に少なく安定しているが、得点8はレノファ山口FCと並んで最も少ない。数字を見れば明らかだが、尹晶煥監督がまず指摘する攻撃の改善ポイントは、意識の問題。
「相手も強く守ってくるので、ただパスを出すだけではなくて、相手をかわしてミドルシュートを狙うというように方法はあります。まずは中盤でミドルシュートが少ないのを反省しなければいけないですね。その意識が少ない選手が多いので常に話をしています」
それは、技術の高い選手が揃うことへの期待の裏返しである。
「間、間にボールが入れば、そこから個人技でシュートまで持っていける選手がいるんです。そういうアイディアを臨機応変に使えれば、もっといいチャレンジ、チャンスになると思います。そこはセンスなのかもしれないけれど、バイタルエリアではシュートの意識を持って常にやらなければいけないと話をしています」
その点で、新加入のブラジル人FWサウダーニャは興味深い存在だろう。J2第11節アルビレックス新潟戦の途中から起用してデビューさせ、第12節山口戦では先発させた。
「先発であれぐらいできるのはいいことだと思います。ただ、まだ分析されていないところもあるので、されたときに本人がどれだけできるか、それから周りの選手もどれだけ彼を使いながら自分たちのプレーを生かせるか、そういうところが楽しみです。この前の試合は良かったなと思います」
「自然に無意識に選手のイメージが出れば」
5月9日の第13節ではファジアーノ岡山をホームに迎える。今季、フクアリでまだ勝利がない。
「ハードワークをして、コンパクトなオーソドックスなシステムで、よく走っていて、戦う姿勢が伝わっているチームだと思います」
そう評価する岡山に対して、どう戦ってホーム初勝利を手に入れようか。相手はじっくり構えて守備を整えてくることも予想される。
「引いている相手に対してに二つしかありません。一つはロングボールをゴール前に蹴ってセカンドボールを拾うか、サイドを起点にして崩すか。攻めにいったときに失ったら早く切り替えて奪いにいってショートカウンターというのが一番いい攻撃になるのではないか。それがうまくできればいいですが、いろいろ考えてはいます。臨機応変にやりたいと思います」
しっかり守るところはこれまで通り。だからやはり、攻撃に注目が集まりそうだ。
「細かいアドバイスはしているけれど、試合になったらそういう場面を作るのは難しいので、どこで作るのかが大事ですね。自然に無意識に選手のイメージが出れば点になると思います。あとは、それができなかったときに次に何ができるかを本人が考えなければいけないと思います。正解はないけれど、いろいろなことはできると話しています」
あらゆる可能性を選手に託して、今度こそホーム初勝利を!