上写真=今季出場10試合目、先発では3試合目で初ゴールを決めた船山貴之。これを続けたい(写真提供◎ジェフユナイテッド千葉)
「入るときは入るし、入らないときは入らない」
船山貴之の今季初ゴールは、アウェーゲームで決まった。5月5日、J2第12節レノファ山口FC戦の40分、右からの岡野洵のセンタリングを、ニアサイドでDF2人の間にうまくポジションを取って頭でコースを変え、GKの右を破った。
試合後には「あんなボールが来るとは思っていませんでした。どこにいったかも分からないうちにゴールに入っていました」と振り返ったが、待望の一発だった。
「今年はなかなか出場機会に恵まれていないので、そういうときは結果を出すしかないのでね」
自らの力を見せるためにも重要なゴールが決勝点となり、1-0で勝って連敗を止めた。「いままではしっかり決める能力が欠けている部分があったのかなと思っていて、たまたま決められただけですし、1試合だけなのでなんとも言えません」と慎重だが、これをきっかけに浮上したい。
「この1点は大きいと思いますけど、1点で終わるのか続けていけるのかで大きく変わってくると思います」
3連戦の最後となる第13節のファジアーノ岡山戦は5月9日だ。今季未勝利のホームゲーム。そこで自らが連続ゴールを決められれば、あるいはチームの誰かが決めて連勝できれば、浮上の波をつかめる。
「入るときは入るし、入らないときは入らないのはみんな分かっていると思うけど、まずは形をしっかりしていきたいと思います」
チームとしての戦い方をもう一度、整理しておきたいところだ。
「いまは(パスを)出して動くというのが少ないので、みんながボールに関わるようにしなければと思います。サイドだけではなくて中からも攻められることを見せないと、サイドを抑えられたら何もないチームみたいになってしまうので、そこを織り交ぜていきたいですね」
「様子を見ながらも、自分の仕事もしっかり」
第11節アルビレックス新潟戦の途中で4-3-3の並びに変えてから、プレスがはまるようになった。続く山口戦でもそのフォーメーションで臨み、船山は最前列の右に入った。
「自分のことで言うと、引き過ぎる傾向にあるので、もうちょっと前に出ていいよと言われました」というのが尹晶煥監督の指示。決勝ゴールはまさに前へ、ゴールの近くへとポジションを取ったことで生まれたものだった。
ゴールを喜ぶ船山に最初に駆け寄って祝福のハグをしたのは、新外国籍選手のサウダーニャだ。新潟戦で途中出場でデビューし、この山口戦では早くも先発起用された。3トップの真ん中が与えられたポジションだ。
「サウダーニャは初めての先発だったので、試合になったらどういうプレーをするかが分からないし、どういうタイプかもまだ分かりません。だから、探り探りで自由にやらせて様子を見ながらも、自分の仕事もしっかりやって、バランスを取ったりスペースに抜けたり足元でもらったり、ということを心がけていました」
そんな関係性を明かしたが、楽しみなコンビが生まれそうな予感がする。
新潟戦も内容は悪かったわけではないし、山口戦では勝利という結果を残すことができた。それだけに、今後も大きな基盤となりそうなこの新システム。船山のオールラウンドな能力をより生かすことができるのではないだろうか。