上写真=エコパスタジアムで磐田を下し、今季初勝利を飾った山口。ホームに戻って連勝を目指す(写真◎J.LEAGUE)
栃木は「やることが明確」
4月1日の練習後にオンラインで報道陣の質問に答えた渡邉監督は、練習の様子を「元気良く取り組んでくれました。集中力も高く、良かったと思います」と振り返った。3月27日の明治安田生命J2リーグ第5節で、ジュビロ磐田をアウェーで2-1と下して今季初勝利。オフを挟んで次節に向かうチームの雰囲気の良さがうかがえる。
磐田戦は13分と20分に得点して主導権を握ったが、42分に1点を返された後は苦しい時間帯もあった。渡邉監督よりも前にオンラインで取材に応じたMF佐藤謙介は「90分間を通してボールを握り、しっかりとしたゲームを作りたいという狙いでやっていますが、(磐田戦は)最初の25分間だけだったかな、というのが正直な感想」と振り返っている。
佐藤のコメントを伝え聞いた渡邉監督は「選手がそう言ってくれてよかったです」と語り、「もっとやれることはたくさんあるし、やりたいこともある。ただ、うまくいかなかった原因や理由は何なのかは、映像で振り返った」と明かしている。ミスの内容や、なぜパスがつながらなかったのかを細かく指摘して「(パスワークにおける)全体像が描けているものは確実に増えている、だとすれば、1本のパスをしっかり通しましょう、1つのコントロールをしっかり決めましょう、というところに矢印を向けることができている」とチームづくりの現状を説明した。
4月4日の第6節は、ホームで栃木SCと対戦する。栃木は開幕3連敗を喫したが、第4節でモンテディオ山形、第5節で愛媛FCに勝って連勝。調子を上げてきたタイミングで乗り込んでくる。
「やることが明確。選手の迷いがないぶん、シンプルではありますが、そこにパワーとエネルギーが加わってくると感じている」と相手の現状を評した渡邉監督は「相手の土俵に乗ってはいけない」と続けた。さらに「球際で戦うなどの作業は、徹底してやらなければいけないと思いますが、それだけに固執し過ぎると相手の土俵に乗ってしまう。最低限それをやった上で、しっかりボールを動かしていきましょう、相手の嫌なところを突いていきましょう、というところを併せてやっていきたい」とゲームプランの一端を明かした。
ホームの維新みらいふスタジアムでは今季2分け1敗で、就任後まだ未勝利。渡邉監督はオフ明けの3月31日の練習で前述した戦術面だけでなく、「ここで我々がホームで勝つ姿を見せることで、勢いをつけていきたいし、つけなければいけない。そういうことの繰り返しが我々の力になる、と伝えた」という。
その上で「この機会を、みすみす逃すつもりはない。しっかり良い準備をして、心してかかって、勝つことで勢いを増していきたい」と力強くコメント。開幕前から指揮官が強調している「維新は勝つ場所だと証明する」の実現に意気込んでいた。