上写真=今年も元気いっぱいのヨルディ・バイス。ハードにパワフルに戦う意欲にあふれている(写真提供◎京都サンガF.C.)
「簡単に言うと、走らなければならない」
今季も熱いぞ! 情熱的なプレーでファンを魅了する京都サンガF.C.のDFヨルディ・バイス。同じく心を燃やす指導でチームを変革しているチョウ・キジェ監督のスタイルに、チームで一番フィットするのではないだろうか。
「まず、答えはYESです。合っていると思います」
メンタル面でシンクロする感触があるようだ。
「理由としてはチョウ監督と同じように勝者のメンタリティーが強く、その点で合致していると思います。勝者になるために、最後の最後までエクストラのスプリントをしたり、ペナルティーエリアの中で体を張って短パンを汚すことをいとわず、ここ一番のデュエルで勝つという情熱が大事です。勝者であることに対する考え方やチョウさんの気持ちは、日々の言動を見ると伝わってくるのです」
チョウ監督の激烈な思いを、バイスがピッチで表現していくという関係性だろうか。そんなハートは、ぐんぐんと台頭してきた有望な若手への刺激にもなっているという。
「監督の思いに若手も反応してきています。私も彼らに何かを伝えたいとか引っ張っていきたいという思いがナチュラルに出てきますし、若手からも心の中からもっとやってやろう、上に行ってやろうという思いが自然に出てきています。だから私から無理に言う必要はないとは思いますが」
「うちの若手は試合経験を多く積んでいます。(福岡)慎平や(川崎)颯太、(上月)壮一郎、谷内田(哲平)、若原(智哉)など、去年の経験を持った若手は多いんです。もちろんうまくいかないこともありましたが、それを踏まえて今年はさらによくなります。ベテランや監督がしっかりリードしていけば、その経験を生かしてミスはなくなるのです。そこを手助けしていきたい」
チームが大きく飛躍するときには若手の自信と勢いは不可欠で、バイスはその点にも明るい兆しを見ているのだ。もちろん、自身も負けるわけにはいかない。
「去年より2キロ以上走る気持ちで走る準備をしていますよ、まだ32歳で私も若いですから!」と冗談めかして話したが、「簡単に言うと、走らなければならない」というのが新しいチームスタイルだ。
「私だけではなく、すべての選手の走行量は増えています。チョウ監督が求めているから、というだけではなくて、自分自身でもそこは求めたいし、ファンが期待するところでもあります。去年はもっと勝たせたかったし点も取りたかったしいいパフォーマンスを見せたかった。ですから、監督からの期待、自分自身への期待、ファンからの期待、すべてに応えて去年以上に見せたいと思っています。37歳になるけれど点を取り続けて、もっと取りたいと望んでいるウタカを見習って、歳を重ねながらも満足することなく、常に追い求める何かがあるという状況で今年もやっていきます」
開幕は2月28日、アウェーのSC相模原戦。この一戦を手始めに、走って走って走った先に、念願のJ1昇格が見えてくるはずだ。