充実の京都サンガF.C.が、開幕のときをいまかいまかと待ちわびている。その一人が福岡慎平。アカデミー出身でクラブの象徴的な存在になるべく、チョウ・キジェ監督が与えたのは「ヤングキャプテン」の肩書だ。

上写真=福岡慎平の目力が増していく。ヤングキャプテンとしてのリーダーシップに期待だ(写真◎スクリーンショット)

サッカーを大局観でとらえられる

「ヤングキャプテンに任命されて、京都を象徴する選手、チームを勝たせる選手になります。それだけに絞ってやっていきたい」

 今年は目の力が違う。チョウ・キジェ監督に授けられた新しい肩書きを意気に感じて、〈京都サンガF.C.と言えば福岡慎平〉とファン・サポーターに認めてもらうように走り続ける。

 アカデミー出身で将来性にあふれるアタッカー。過去と未来が輝くだけに、いまが大切だ。自分に向けたのは、二つの2ケタ。

「ゴールもアシストも2ケタを狙いたいと思っています。まずチームに貢献することが大事ですが、数字も意識したい」

 昨年は36試合に出場して得点が1でアシストはゼロだったから、大幅アップを自らに課した。もちろん、手応えあっての宣言だ。チョウ監督が新しいスタイルを注入したことによって、チーム全体に攻撃への活力が生まれている。シャドーやワイドのポジションが想定される福岡も、ゴールに近い場所でプレーすることが求められている。

「相手の間で受けるところの質を上げていけば、ゴール前に入る数は増えてくると思います。決めきって勝利に貢献したい」

「他の選手も絡むシーンが多くなっているので、中盤でもゴールの数が増えるんじゃないかと感じています。自分も楽しみだし、それができればチームも上に行けるので、あとは質を上げるだけです」

 修正すべき点はあるとしながらも、それを上回るポジティブな言葉があふれてくる。

 チョウ監督は福岡を見て、こう評している。

「慎平はクレバーだしサッカーを局面じゃなくて大局観でとらえられるので、チームの中で一人いてくれると助かる選手です。ただ、頭がいいのでこのぐらいでいいかと挑戦心が削がれるところもあるので、肉体で見せることも大事なんです。運動量多く、ボールのあるところでもないところでも走らないと。チームを象徴するプレーを見せてほしいですね」

 もちろん、福岡の自覚にも深く刻まれている。

「監督が言っていましたが、この練習場で戦った選手が代表してスタジアムで戦うので、サンガタウン(練習場)で最初からバチバチ戦っているし、今日も激しいトレーニングでした。それでもケガなくやれているのはポジティブで、シーズンが始まっても続けていけば、個人としてもチームとしても大きくなる楽しみしかないです」

 戦えば、実りはある。その積み重ねが、ヤングキャプテンとしての風格をもたらす。

「僕自身、気をつけているのは、チームがばらばらにならないようにすること。練習でやってきたことをピッチでやろうとしていて、迷いなくできていると思います」

「このチーム全体をまとめるというよりは、若い選手が多い中で引っ張っていくところだと思います。100パーセントでプレーして、見て感じてもらえるようにしたい」

 肉体的知性派として、そしてクラブのアイコンとして。福岡の2021年は大忙しだ。


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