上写真=落ち着き払った様子で言葉をつなげていく本多勇喜。キャンプで鍛えた充実感は「ものすごくあります」(写真◎スクリーンショット)
「自分自身が後ろから引っ張っていきたい」
「そこが、自分たちの仕事になりますね」
京都サンガF.C.のDF本多勇喜のアクションは、いわば新生サンガの象徴的なシーンになるだろう。
チョウ・キジェ監督が就任して、怖がらずに前線からボール奪取を仕掛けていくことが新チームのポリシー。相手から見れば、猛烈なプレスは脅威だが、その裏側にチャンスがあると狙うはずだ。そこで、センターバックの本多の登場である。相手がここぞとばかりに送り込んでくるボールを回収して、再びの攻撃につなげていく。
「しっかりと後ろのディフェンスラインでカバーし合っていければ、常に前にプレッシャーをかけられると思います」
前向きにプレスを仕掛けていくスタイルは一見して危険を伴うが、ピッチの上の実感はその逆だった。
「前から守備に行くことで先手を取りやすいので、僕としては後ろで守ってるとやりやすいんです。プレッシャーに行くことで相手がどんなボールを蹴ってくるのか予測がしやすいので」
楽に蹴らせない状況を作れば、予測の精度は高まっていくのだ。そしてもちろん、前に前に、は攻撃を優位に進めるためのもの。
「前に人数をかけることで攻撃に厚みをもたらすことができます。ボールを取られたらリスクはありますけど、みんなで頑張って帰ってきてもらったらいいので、自分のところではそんなにリスクを犯す感じではないですね」
チョウ監督から飯田貴教、武富孝介とともに副キャプテンに指名された。キャプテンの松田天馬を支えていく。
「監督のやりたいことに対してしっかりやれていると思います。もちろん、まだ足りない部分はあって、全体の戦術はできているけれど細かいところをもっと詰めていかないといけないと思っています」
「11人でサッカーをやるので、一人ひとりがしっかり戦ってチームのためになれるようにしていきます。運動量は非常に多いですし判断も早くて、判断の質を上げられればいいと思っています。これからしっかりすり合わせて、より判断が早くて質のいいスタイルになっていくと思います」
その言葉がチームを代表する意思となって、重みが増していく。
開幕戦は2月28日、アウェーでSC相模原と対戦だ。昇格チームとのゲームで、しっかりと勝ち点3を持ち帰りたい。
「しっかり一戦一戦、勝てるように毎週準備していきたいと思います。自分自身が後ろから引っ張っていきたい」
新生サンガのお披露目マッチで、みんなと喜びを分かち合うつもりだ。