上写真=静岡キャンプへの永井秀樹監督からの評価は「75点」(写真提供◎東京ヴェルディ)
「温かいお世辞をいただきました」
2月5日から始まった静岡キャンプも、いよいよ大詰め。最終日となる14日の前日に永井秀樹監督が語ったのは「75点」を与えたトレーニングの充実ぶりだった。
「選手の取り組みの部分では80点ぐらいは与えたいと思います。僕の理想は異常なほど高いですが、それを差し引いて75点ぐらいかな。選手はみんなよくやってくれました」
「共通認識のところはかなり、6割から7割は高まってきましたね。攻撃と守備の両方の構築というところもある程度のところまでできた印象です」
10日間の共同生活で集中して永井イズムを浸透させてきた。13日には清水エスパルスと練習試合を行って確認。詳細は非公開だが、「格上のエスパルスさんが相手なので課題が出て見えたものがありますし、逆によくできた部分もありましたので、またしっかり分析して改善点をして改善していく作業を進めたいと思います」というのが永井監督の見立て。
清水は今年から、2017年、18年に東京Vを率いたロティーナ監督が率いている。かつての指揮官との手合わせで収穫も多かった。
「立ち話ですけど10分ぐらい話をして、率直に正直にヴェルディのダメなところ、課題についてアドバイスがほしいというお願いをしました」
永井監督はストレートな意見を求めたという。
「本当に自分が聞きたかったのは、ダメなところや課題、改善点でした。7回ぐらい突っ込んで聞いたんですけど、非常に良いサッカーだと言ってくれまして。『後半に関してはほとんどヴェルディにボールを持たれて何もできなかった。いいサッカーだ』と、温かいお世辞をいただきました。課題がほしかったのですが、改めて別の機会で聞かせていただきたいなと思っています」
2人の微笑ましいやり取りが目に浮かぶようだが、仮にお世辞だったとしても、永井監督の攻撃的なスタイルは昨季、アルビレックス新潟のアルベルト監督が同じように話していたから、スペイン人監督を魅了する何かが宿っているのだろう。
2月28日の開幕戦、愛媛FC戦まではおよそ2週間。
「ここからは細部までこだわって積み上げていく作業とコンディションの調整に入っていきます。キャンプではかなりハードにやってくれたので、開幕までベストなコンディションにもっていけるようにしていきます」
そして、長いシーズンを通して「異常なほど高い」とする理想へ向かって突き進んでいく。
「開幕してからも、現状維持は後退の始まりだと言ってきているように、毎試合毎試合バージョンアップが必ず必要です。そこはこだわっていきたい」