上写真=FC東京戦では2ゴール。武富孝介が沖縄キャンプの最後に結果でアピールした(写真◎京都サンガF.C.)
「チームとしてうまく進んでいる」
FC東京に180分で6-2だ。キャンプ打ち上げ前日の2月7日、45分×4本マッチで行われた練習試合で、J1の強豪を大差で下してみせた。武富孝介は2ゴールを挙げている。
もちろん、コンディションの違いがあって、自分たちの方が体が動いていた感覚はある。だが、自信になる。
「自分たちは常にディフェンスでも攻撃でも主導権を握って、自分たちのアクションで守って攻めるコンセプトがあります。それをチーム全体でチャレンジできています」
胸を張って、力強く、確信的に発言していく。自身は浦和レッズから移籍してきたばかりだからJ1のクラブに対して特別な意識もないが、重要なのはチームとしてスタイルを押し出すことができていることだ。
「試合をやるごとに、練習するごとに、チームとしてこうやったらうまくいく、とか、こうやったらうまくいかない、ということを日々確認できて、それが積み上がっています。東京や札幌に自分たちのサッカーを出せて、良かったり悪かったりがあって、トライ・アンド・エラーの繰り返しで成長して、チームとしてうまく進んでいると思います」
沖縄SVに7-2、北海道コンサドーレ札幌に3−3、そしてFC東京に6-2と、キャンプ中の練習試合3試合の結果を見るだけでも、その順調な歩みが見て取れる。
チョウ・キジェ監督の魂がそのまま染み込んだような情熱的なチームづくりにあって、かつて湘南ベルマーレでもともに仕事をした武富が感じるのは、やはり「アグレッシブ」。自らのゴールシーンにそれが表れていたのだと説明する。
「チーム全体でゴール前まで行って、クロスは合わなかったけれど、切り替えの速さで奪い返して点につながりました。チョウさんのスタイルは取られてもいいからアグレッシブにいくこと。取り返してまたリズムを持っていって、どんどんと自分たちのリズムを出すことができました」
チームづくりの過程においては、湘南時代の経験が生きてくる。
「特に昔と大きく違うタスクをするように、ということはないですね。求められていることも分かっているつもりなので、自分の中でうまく考えて解釈してやっているつもりではあります」
新しいスタイルを浸透させるときに、それを経験したことのある選手がいるかいないかで、チーム全体の理解度は変わってくるだろう。武富はいわば、チョウ・キジェ監督の頭脳を仲間たちに解説する重要な役割を担っていると言えそうだ。
「自分個人としてもそうですけれど、京都としても大きく変わった年だと思うので、期待は感じています。シーズン頭から全速力で、フルパワーでやっていきたいと思います」
高らかに、ファン・サポーターに誓うのだ。