上写真=三沢直人は沖縄キャンプでチョウ・キジェ監督のサッカーを吸収中(写真◎KYOTO.P.S.)
「考えてやっているわけではないんですけど」
「あれでお客さんがたくさん入ったら、すごい、としか言いようがないですよね」
西武台高、専修大、Y.S.C.C.横浜、ガイナーレ鳥取と歩み、プロ4年目のシーズンを京都サンガF.C.で送ることになった。初めてのJ2だ。
しかも、サンガスタジアム by KYOCERAという、日本でも有数の専用スタジアムがホーム。新体制発表会で撮影のためにユニフォーム姿でそのピッチに立った。ぐるりと迫りくるスタンドを見て、ファン・サポーターが集まって声援を送る姿を想像して、思った。「すごい」。
「あのスタジアムで、お客さんがいっぱい入った中でピッチに立ってプレーすることが楽しみです」
2018年、YS横浜で25試合7得点、鳥取に移って19年は27試合7得点、20年は全34試合に先発出場で7得点。3シーズン連続で7つずつゴールを挙げている。新体制会見では「特徴であるキックやゴール前で他の人とは違うアイディアを出せるので、そこを見てほしい」と胸を張った。
「相手が想像していないタイミングで、自分も考えてやっているわけではないんですけど、感覚的なところで他の選手とは違うのかなと思っています。明確に示すような言葉はないですけれど」
体が自然に動き出す、ということなのだろう。自分と感覚が似ているという選手に、ガンバ大阪や清水エスパルスなどで活躍し、京都でもプレー、鳥取でチームメートだったフェルナンジーニョの名前を挙げた。20年シーズン限りで引退したテクニシャンと共鳴させてきたそのセンスを、京都のために注入する。
チョウ・キジェ監督のスタイルは、少しイメージと違ったという。「素早いポジショニング、立ち位置について細かくて、自分のイメージではフィジカルや対人の部分でガツガツいくイメージでした」とその繊細さを感じ取っている。「一つひとつのプレーがすごく大切なのだと感じさせられています。パス一つひとつでプレーを止めて、もっとこうした方がいい、と言ってくれるんです」「すごく細かく教えてもらって、一人ひとりの成長につながると思います」と早くも実感していて、三沢自身もまずは「J2仕様」にステップアップするチャンスを謳歌している。
「ポジションは前の方ならどこでもできます。でも、与えられたところで頑張ってみたい」と柔軟な構え。「まずは試合に出ることが絶対なので、スタメン争いは自分の中で強く大事だなと思っています」と力を込めて話した。照準は、開幕スタメンだ。