明治安田生命J2リーグのクライマックスが近づいている。残り3試合の段階で2位のアビスパ福岡は、首位徳島ヴォルティスを勝ち点5差で追いかけ、2差で3位のV・ファーレン長崎に迫られる状況。経験豊富な石津大介が見据えるゲームプランとは?

上写真=左サイドMFとして躍動する石津大介。輪湖直樹とのコンビは成熟している(写真◎J.LEAGUE)

「あの上がれなかった悔しさが」

 2017年12月3日の苦い記憶がいま、石津大介のエネルギーになる。J1昇格プレーオフ決勝で名古屋グランパスと対戦し、0-0のドロー。リーグ戦の年間順位が上だった名古屋がそのまま昇格を果たし、アビスパ福岡はあと一歩のところで届かなかった。

「プレーオフで名古屋に勝ちきれずに上がれなかった記憶が残っていて、あの上がれなかった悔しさがあるから絶対に昇格したい気持ちがあります。いま本当にチャンスだと思うし、しっかりつかみ取らないといけないと思います」

 そのとき以来の絶好機だ。しかも今度は優勝の可能性も残している。

「今年は優勝を狙えるチャンスもありますし、自分がここにいるタイミングで昇格したことがないので、昇格したい気持ちがめちゃめちゃ強いですね。自分たちが勝ち続ければ昇格できるので、この3試合は自分たち次第。勝ち取らないといけないと思います」

 言葉は熱いが口調は冷静。多くの経験を積んだ30歳の男だからこそにじみ出る、余裕と覚悟である。

「シゲさん(長谷部茂利監督)が求めているのは、『攻撃も守備も100パーセント』なので、どちらかというよりはどちらもしっかりと100パーセントでやることで、守備でも失点をゼロに抑えられるし、攻撃で点も取れると思っています」

 ここ7試合は負けはないが、うち4つが引き分けでその中の3つは先にゴールを奪われて辛くも追いつく展開だ。粘り強いとも言えるが、先に失点しなければもっと楽な戦い方ができるだろう。

「特別に変えることなく、攻守ともにアグレッシブにプレーしていきたい。先に失点すると厳しい展開になるので、失点しないように守備から入って、攻撃でもパワーを使って複数得点できればいいですけど、まずは失点しないところを大事に毎試合やっていきたいと思っています」

 ディフェンスに意識を置きつつ、どうゴールを奪うか。石津がここに来て手応えを感じているのは、12月2日の第38節、ファジアーノ岡山戦の53分のシーンだという。左サイドで重廣卓也、山岸祐也、田邉草民、山岸とボールを動かして崩しセンタリング、フアンマ・デルガドが落とすと、走り込んだ重廣が右足インサイドでゴール右へパスするようなフィニッシュで決めたパーフェクトゴール。ほとんどがワンタッチのパスで、あっという間にゴールを陥れてみせた。

「岡山戦でこれまでで一番いい崩しと思うぐらいきれいに崩せたので、ああいうシーンを増やせるようにしていきたいですね。攻撃でたくさんの人数が絡んで崩しにかかれば、ああいうシーンが増えるので、意識しながらやっていければ」

 そうすれば、先制点は奪えると確信している。

「複数人が絡んだときにいい崩しができているので、それをスタートから出していかないといけないし、そうすることで早い時間帯での先制点を取ることにつながります。複数人が絡んでの崩しの回数を、この3試合で増やしていかなければと思いますね」

 守備から入り、多くの人数が関わり合いながらボールを運んで先制する。そして追加点を決めていく。石津の中で、京都サンガFC、愛媛FC、徳島ヴォルティスとの残り3試合のゲームプランはできた。あとは実行あるのみ。そこで大切なのが、心だ。

「緊張しすぎるとやっぱりいいプレーはできないと思うので、楽しみながら、ですね。緊張感を味わえるのはうちと長崎と徳島しかないので、特別な緊張感をいかに楽しめるかが大事なポイントです。自分自身を含めて楽しみながら、いい緊張感でトレーニングも試合もやっていきます」

 2017年12月3日の苦い記憶を笑顔で塗り替えるまで、あと少し。


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