上写真=大宮戦で貴重なゴールを決めて雄叫び。頼りになるエース、それがフアンマ・デルガドだ(写真◎J.LEAGUE)
「残り5試合は決勝戦のつもりで」
アビスパ福岡の背番号9が、高々と天空へ舞い上がった。大宮アルディージャとの厳しいゲームを仕留める58分の決勝ゴール。右からのクロスにマークを物ともせずにジャンプ一番、フアンマ・デルガドがヘッドでボールの芯を叩いて豪快に突き刺してみせた。
「この試合は非常に大事でしたし、クロスからのシュートは練習してきたので、それが試合に出ました。サロモンソンからいいクロスが入ってくるのは分かっていたので、大事な試合で決められてよかったです」
中盤でボールを奪ってからフアンマが決めるまで、わずか12秒ほど。重廣卓也の守備から前寛之、増山朝陽、エミル・サロモンソンと右へテンポよくつないでいって、サロモンソンの必殺のクロスからフアンマのヘッド。タイトな守備をベースにした素早い攻撃と個々のセンスをかけ合わせる「アビスパらしさ」がたっぷりと詰まっていた。
「中盤でプレスをかけて奪ったときに右サイドのサロモンソンがいいポジションにいて、サイドに開いていたときにはチームの形としてサイドから攻め込む戦術があったので、その通りにサロモンソンにつながりました」
長谷部茂利監督も「非常にいいゴールでしたね。クロスもパーフェクトでヘディングも良かった」と絶賛したが、サイドアタックの強みとフアンマの体の強さという特徴がかみ合った狙い通りの一撃。「ボールが入ってくるところにちゃんとポジションを取って決めたことも良かった」こと、「ディフェンダーの前に飛んだ」ことがポイントだったと振り返る。
大宮も負傷者が続出する苦しい状況ではありながら、堅守という持ち味は発揮していた。福岡はそこに苦しんだ。
「堅い守備であっても、自分たちの色を出すのが大事でした。チャンスもいくつか作れましたし、自分が決めることができたので、アビスパらしさは出たと思います。堅い守備も自分たちが持っている力を出せばこじ開けられるんです」
昇格を阻止しようと、これから戦う5チームは容赦なく向かってくるだろう。それでも「こじ開けられる」という自信は揺るがないのだ。
「残り5試合は決勝戦のつもりで戦わなければいけないと思います。自分たちらしさをより出さなければいけない試合が続きます」
昇格がかかるからといって取り繕うようでは勝てない、ということだ。だからこそ。パワーが必要だ。
「残り5試合はみんなの力が必要です。ファン・サポーターのみなさんにはぜひスタジアムに足を運んでもらって、最終目標に向かって一緒に戦いましょう」