上写真=ボランチで先発出場した平野佑一(写真◎J.LEAGUE)
■2020年11月4日 J2リーグ第31節(@Ksスタ:観衆1,737人)
水戸 0-1 福岡
得点:(水)なし
(福)増山朝陽
「サッカーは結果がすべてだけど、内容は良くなっている」
前節の長崎戦に続き、平野佑一は2試合連続で先発のピッチに立った。平塚悠知とともにダブルボランチを組み、右へ、左へ、後ろから前へ、時には前から後ろへ、広範囲にパスを裁いていった。それでも、試合開始早々に福岡に出鼻を挫かれる。前半5分に先制点を奪われた。
「相手は堅いチーム。データ通り、得点数は少ないけれど、失点数も少ない。こういう(試合の)内容になるのは分かっていたけれど、先制点を立ち上がりの早いところで決められたのは計算外でした」
ただでさえ、J2で最も失点数が少ない守備力の高い相手。1点を先に奪われてしまえば、その守備意識はより高くなるだろう。「サイドチェンジとかをしても、あまり飛び込んでくる印象はなかった」と平野は振り返る。
だからこそ、そんな相手から得点を奪うための打開策として、「もっと(味方との)距離感を良くして真ん中から刺すことが、今試合を振り返って思えば、行なえたプレーかなと思います」と、結果的に無得点に終わった戦い方を悔いた。
前節時点で13位だった水戸。J1昇格争いを繰り広げる2位の福岡を相手にシュート数で9対8と上回り、昨季まで水戸を率いていた敵将の長谷部茂利監督には「ボールを握られてヒヤヒヤした」と言わしめた。
「サッカーは結果がすべてなんですけれども、内容は良くなってきている」と、平野はこの一戦で手応えも感じている。
それでも、J2リーグで最多得点を挙げているほどの攻撃力を売りとするチームが、ホームで完封負け。内容は良かったと振り返っても、平野の言うように「これをどう勝ちにつなげるか」が、大きな課題だろう。ここまで、福岡戦を含めて「12」の敗戦と「9」の引き分け。ここからは、いかにして勝ち点3を手にできる試合に持ち込むか、だ。
「残り11試合しかないけれど、そこに本当にフォーカスすること。失点数も前節は4失点してしまって、今日も『1』失ってしまった。『ゼロ』で抑える試合が少ないので、『最大の攻撃が最大の守備になる』という考え方で、残り試合を圧倒していきたいと思います」
J2リーグの終盤戦、今節で14位に順位を下げた水戸が上位に浮上するためのポイントは、とにかく攻めて、攻めて、攻め勝つことなのかもしれない。
現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE