上写真=18分に新潟は大卒ルーキー・矢村健のプロ初ゴールで幸先よく先制した(写真◎J.LEAGUE)
■2020年11月4日 J2リーグ第31節(@NDスタ:観衆2,579人)
山形 1-2 新潟
得点者:(山)ヴィニシウス・アラウージョ
(新)矢村健、ロメロ・フランク
石丸監督「怖がってしまった」
やはり先制ゴールは偉大だ。序盤は山形のテンポの良いパスで押し込まれかけていた新潟が得た右CKのチャンス。ショートコーナーからつないで島田譲がふわりとニアゾーンに送ると、DFがバウンドの目測を誤って抜けていった。それを目ざとく見つけた矢村健が突っ込んできて、GKの手前で右足で押し込んだ。18分、大卒ルーキーのプロ初ゴールで新潟から余計な力が抜けた。
だが、すぐに新潟にリズムが移ったわけではない。山形が引き下がるわけではもちろんなくて、20分に渡辺凌磨が古巣相手に右サイドを崩し、26分にもCKの流れから加藤大樹がボレーシュート、29分にも相手のGKのパスミスを誘って南秀仁が狙うなど、次々に攻撃の圧力を強めていく。
この勢いを逆に利用した形になったのが新潟の35分のプレーだった。新潟陣内に押し込んでかけてきた山形のプレスをパス交換ではがすと、島田がロングパス。これを左サイドで受けた矢村がドリブルで抜け出し、並走してきたロメロ・フランクに任せると左に持ち出して左足シュート。これがゴール右に飛び込んで、新潟が2点をリードした。
後半は当然、山形が逆襲を仕掛けてくる。そのパワーが実ったのが68分。CKの際にゴール前でファウルがあったとしてPKを与えられた。これをヴィニシウス・アラウージョが左に蹴り込み、GKの手を弾いてゴールに飛び込んだ。
しかし、山形の石丸清隆監督が「攻守に消極的で、プレーしていない部分があった」「プレッシャーをかけられると怖がってしまった」と話したように、新潟の守備の迫力に気圧される展開になっていく。アディショナルタイムに松本怜大のクロスに大槻周平が左足で狙ったが、右に切れていって万事休す。
その新潟は、時間が進むほどにプレスの強度が増すかのような、徹底した攻撃的守備が頼もしかった。アルベルト監督が「決定的なチャンスをより多く作れていて、2-0のあとから追加点を取れたらもっと点差が開いた結果になる可能性もあった」と残念がったが、「ハイプレスがこの試合の最も重要なポイントだった」と4試合ぶりの勝利を素直に喜んだ。
写真◎J.LEAGUE