明治安田生命J2リーグの第28節で、アビスパ福岡は13連勝をかけてFC町田ゼルビアと対戦したが、決め手に欠け0-0で試合を終えた。勝てなかったが負けなかった。だが、木戸皓貴は自らが迎えたビッグチャンスをフイにして悔やんだ。

上写真=木戸皓貴はチーム最多のシュート3本で町田ゴールを襲った(写真◎J.LEAGUE)

■2020年10月21日 J2リーグ第28節(@Gスタ:観衆1,008人)
町田 0-0 福岡

「どんなボールが来ても反応して」

「実力不足というか、練習しなければいけないと思います」

 アビスパ福岡が迎えた81分のビッグチャンス。右サイドに展開してエミル・サロモンソンが冷静にグラウンダーのセンタリングを送る。これをニアに斜めに入ってきた木戸皓貴が右足で引っ掛けるようにしてゴール左に流し込む…はずだった。

 ほんの少しだけボールが足に深めに入ったのか、シュートはボール2個分ぐらい、わずかに左に切れていった。

「ニアに飛び込もうと考えていて、どんなボールが来ても反応して待つだけと考えていました。あと少しだったんですけど、ああいうところを決めないといけないと思いました」

「入るタイミングは出し手と合ったので、しっかりコースに蹴ることができればよかったんですけど、実力不足というか練習しなければいけない」

 5試合ぶりの先発で惜しくも結果につながらなかった自分を、そう戒めるのだった。

 前半は少しうまくいかなかった。福岡のシュートはゼロ。「前半はお互いに体力がありますし、堅く入りがちで、うちも失点しないところから入ったので」ということも影響したと考えているが、「でも、もっと押し込んでセットプレーやコーナーを取ったりすればシュート数は増えたと思うので、前半プレーする中で改善できたら良かった。ただ、どうしても堅くなっていたので、割り切ってゼロで終わったことはみんな前向きでした」とネガティブではなかった。

 だから、後半は積極的に打っていって、シュートは6本。そのうちの3本は木戸によるものだ。それでもゴールは遠かった。9月5日から始まった連勝は12でストップ。

「守備陣が(失点)ゼロで抑えてくれたのに対して、攻撃陣が(得点)ゼロで終わったところが反省です。自分もチャンスがあったので決めないと勝てないなと感じたし、逆に負けなかったところはポジティブに、厳しい戦いで負けなかったことをプラスにとらえていいのではないかと思います」

 勝てなかったが、もちろんまだ首位。残りは14試合と多いようで少ない。長谷部茂利監督も試合後に改めて「これまでも、これからも難しい試合が続く」と選手に語りかけたという。木戸は練習の成果でゴールを、そして昇格を手繰り寄せる。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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