上写真=栃木戦で左サイドバックとして先発し、81分までプレーした福村(写真◎J.LEAGUE)
連勝しなければ上位に食いついていけない
好機を何度もつかみながらも勝ち切れない。それが栃木戦の東京Vだった。相手のプレスにスムーズなビルドアップを阻まれたが、それでも高い技術と素早いボール回しでプレッシャーをかいくぐり、決定機は迎えている。
しかし、勝てない。とりわけ良い試合をしたあとで、勝ち切れない。敵地での愛媛戦に4-1で勝ち、臨んだのがこのホームでの栃木戦だった。
永井秀樹監督は試合後に「正直、悔しい」と心情を吐露したが、相手の狙いにまんまとハマった格好となった。愚直に東京VのCB、ボランチにプレッシャーをかけ続けた相手の運動量と集中力は確かに素晴らしかった。とはいえ、「相手ではなく自分たち」にベクトルを向けるチームとしては、やはり歯がゆさと悔しさの残るドローになった。
試合後、オンラインで取材に応じた福村も、連勝の重要性について語っている。
「連勝しないと上位に食いつけないというのは重々承知でやっていますけど、結果のところなんで…。勝ちたいという思いでやっていますが、結果が出ないのは残念」
今季の東京Vは5節と6節、11節から13節と2度、連勝を記録している。いや、2度しかないと言うべきか。実践しているサッカーの内容に勝ち星が見合っていないとも言える。22節に北九州に競り勝ったあと、23節の甲府戦はスコアレスドローを演じた。大宮に3-1で完勝した24節の翌節、岡山戦はホームにも関わらず0-1で惜敗。そして今回も愛媛に良い勝ち方をしておきながら、栃木とはドローに終わっている。
「前節の良いところを生かして自分的には気持ちよく走る、気持ちよくプレーすることを意識して前半からやっていました。でも、結果には結びつかなかった。それでも、良いところを継続してやっていくことしかないと思います。悪いところを直すというよりも、良いところを継続してやっていく。連勝しないといけない試合で連勝できないのは残念ですが、一日一日、積み重ねていくことが大切だと思っています」
結果が出なかった中断期間あけの時期も、チームはブレることなく信じる道を進んだ。やがて勝ち点を積むようになったが、今は、やや停滞の時期を迎えている。シーズンは2巡目に入り、相手も対策を練っている中で、どう戦っていくのか。
福村が言う通り、「良いところを継続して、積み重ねる」ことが肝要だろう。次節は磐田戦(21日)。東京Vはホームで3試合ぶりの勝利を目指す。