上写真=厳しい戦いが続いた9月を終え、手倉森監督は10月を反攻の月とすることができるか(写真◎J.LEAGUE)
相手に対するやり方を半分以上に強める
9月の8試合の成績は、5分け3敗。J2の首位を走ってきたが、18節でその座を明け渡し、現在は首位の徳島ヴォルティスと7ポイント差の4位まで後退した。9月未勝利という苦しい戦いを強いられた原因について、手倉森監督はこう分析する。
「ずっと首位を走ってきて、(他チームの)標的になってきたときに勝てない時期も来るだろうなとは思っていました。自分の中では9月は少し苦しむとは思っていて、しぶとくとやらなければいけない月になると踏んでいたが、ここまで勝てない状況は想定していなかった。『アウェーでも勝ち点1でもいい』というメンタリティーが逆に相手に追いつかれるようなことになったのかもしれない」
5つの引き分けは勝ち切れなかった証。16節の新潟戦はアディショナルタイムに追いつかれ、17節の金沢戦は後半に追いつかれた。20節の松本戦にいたっては2点をリードしながら終盤に2分間で2点を叩き込まれ、勝ち点を失うことになった。リードを奪ってもそのまま試合をクローズできないアウェーゲームでの試合運びについて、指揮官は「メンタリティー」の問題を指摘した。
そこには当然、追われる立場の難しさもあった。
「首位に立った後から突っ走る態勢を整えたかった。常々、ミーティングでは首位にいる者の覚悟をあらゆる上でそこにいるにふさわしい力を見せつけるということを言ってきましたが、それが叶わなかった。やはり相手があることで、どのチームも長崎と戦うときは他のチームと戦うときとはまた違う顔を見せているなと。研究された中で低迷したということももちろんあると思います」
シーズンが進むにつれて研究も進む。相手が用意した対策を上回ることができなかった。その反省に立ち、10月から戦っていきたいと指揮官は話す。再び上昇するためのポイントについて手倉森監督が明かす。
「順位を落とした中で、首位の覚悟というものではなくて、追う側の立場になった者のメンタリティーをしっかりと持ち直し、チャレンジャーとして姿勢を見せたい。首位にいたときは相手の良さを消して、というよりも自分たちの良さで勝負した。それで勝てたら本当に首位の覚悟になるのですが、そうなれなかったということはやっぱり足りなかったということ。こうなったいま、相手をしっかり見てプレーするということが大事になってくる」
目下、8連勝中の福岡を例に挙げながら「相手の持ち味を消すことも踏まえて戦う」と話す指揮官は、「相手に対するやり方というのも半分以上に強めて戦う必要がある」と説明。10月以降はこれまで以上に結果重視の戦いにシフトしていくことを示唆した。
10月最初の試合(4日)は栃木が相手だ。走力をベースにロングボールとセカンドボール回収力を前面に出して勝ち点をむしり取る迫力が特徴のチーム。手倉森監督は「大きい展開に対する対応力とセカンドボールと球際というところが大事になる」としつつ、「いかにボールを落ち着かせて下で勝負していくかというのが大事になってくる」と戦いを見通した。まずは9月に引き分け続きだったアウェー戦に勝ち、浮上のきっかけとしたい。