上写真=2試合連続クリーンシートに手応え。プロ1年目で貴重な経験を積んでいる(写真◎J.LEAGUE)
「呼吸が合ってきました」
2試合連続完封だ。ジェフユナイテッド千葉のセンターバックコンビ、チャン・ミンギュと鳥海晃司が堂々たるプレーで京都サンガのあの男にゴールを割らせなかった。
この日は15得点でJ2得点ランクのトップランカー、ピーター・ウタカが相手だ。その周りを動くパートナーの中川風希もやっかいで、さらには2列目の曽根田穣と福岡慎平の技巧派MFが絡んでくる。
しかし、そのウタカさえも封じ込めたのだ。安易に足元に飛び込まず、パワーとテクニックをしっかり見極めて、冷静にブロックし続けた。
「試合をしながら、守備に手応えを感じました。試合を重ねながら呼吸が合ってきました」
2人が先発から組むのは7試合目となるコンビネーション。お互いの特徴をすり合わせながらの安定感が身についてきた。
53分には長身FW野田隆之介が投入され、最前線でその高さがターゲットになり、ウタカはより流動的に立ち位置を変えるようになった。
「目の前のこと、一つひとつに対応していました。特徴がはっきりしている選手にやられないように対応を心がけました」とは野田対策。ウタカが自分でボールを迎えに行ってよりボールを触って動かしていったが、「引いて受けてくれるので自分のエリアから離れていって、怖さを感じなくなったので気になりませんでした」とむしろ余裕を持って守備に集中できたのだという。
もちろん、2試合連続完封はセンターバックだけの成果ではなく、尹晶煥監督が言うように、チーム全体の守備への集中力が研ぎ澄まされたことによってもたらされたものだ。
「みんな本当に頼もしかったです。チーム全体で守れたと思います。前線からの守備を含めてしっかりできました。前進しながらの守備が安定して、カウンターにつなげられたと思います」
守備に手応えがあったからこそ、勝ちたかった。
「ホームなので勝ちたかったのですが、最低限、失点はせずに勝ち点1を得たことはポジティブに考えています」
「ゴールを決められなかったので、決めるプレーが求められてくると思います。相手によって攻撃のポイントは変わってきますが、攻撃的な意識、切り替えの速さ、シフトしていくところにパワーを使っていければいいと思います」
フィールドプレーヤーとしてはチーム最長の19試合、1635分に出場している。そろそろチャン・ミンギュ自身が例えばセットプレーからゴールを決めるシーンも見てみたい。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE