上写真=守備の整備ができていることに手応え。巻き返しの礎になる(写真◎ジェフユナイテッド千葉)
「足りないところを補い合えています」
ここ4試合で3勝と再び安定してきたジェフユナイテッド千葉にとって、センターバックの貢献は大きいだろう。鳥海晃司とコンビを組むのがチャン・ミンギュ。プロ1年目とは思えない冷静さで、18試合、1545分間でピッチに立っている。これは千葉のフィールドプレーヤーとして最長だ。
前節はFC琉球にアウェーで1-0の勝利。守備を司る立場としては、この結果に十分な手応えを感じているだろう。ここ2試合は失点していたからなおさらだ。
「守り切る自信はありました。ただ、リードしていて追いつかれたり逆転されたいままでの恐怖があったので、しっかりできたと思います」
今季、何度も繰り返してしまった苦い反省が生きるようになってきた。成長の証だ。
「勝ったり負けたりがありますが、少しずつ整備はできています。みんなでお互いに意思疎通のために話し合いをしていますし、試合をこなすことによって足りないところを補い合えています」
シーズンも後半戦を迎えて、ピッチの上でのすり合わせがだいぶ進んできた実感がある。
特に、鳥海とのコミュニケーションは活発だ。最近の3勝はどれも、この2人がコンビを組んだ試合である。第19節愛媛FC戦で2-0、第20節ファジアーノ岡山戦で2-1、そして琉球戦。
「まず話しているのは、チャレンジ・アンド・カバーのところです。片方が出ていったら片方がカバーする。そこがすごくしっかりできています」
Challenge and Cover。基本中の基本だが、そこをおろそかにしない姿勢こそが、堅守の源になっている。当たり前を当たり前にする努力が実り始めている。
次節の相手、京都サンガは強力な攻撃陣が自慢だ。15得点でランキングトップを走るピーター・ウタカを軸に、テクニカルな中盤とワイドアタッカーが絡んでくる。でも、抑え込んでみせる。
「相手によってやり方を変える場面は出てはきますけれど、全体的にやることはあまり変わらないんです。ある程度、相手の形に対してどう動くかについて考えることはもちろん必要ではあるけれど、自分たちの守り方を維持していくつもりです」
いまはそれだけの手応えがあるということだ。鳥海とのチャレンジ・アンド・カバーが、勝利の原動力になる。