9月27日、明治安田生命J2リーグ第22節が開催された。味の素フィールド西が丘では東京ヴェルディとギラヴァンツ北九州が対戦。狙いがハマった東京Vが1-0とし、4試合ぶりの勝利を手にした。対する北九州はシーズン2度目の連敗を喫し、首位を徳島に明け渡すことになった。

上写真=決勝ゴールを奪った東京Vの小池純輝(写真◎J.LEAGUE)

■2020年9月27日 J2リーグ第22節(観衆1,301人/@味フィ西)
東京V 1-0 北九州
得点:(東)小池純輝

・東京Vメンバー◎GKマテウス、DF若狭大志、高橋祥平、平智広、福村貴幸(83分:近藤直也)、MF藤田譲瑠チマ、山本理仁(61分:森田晃樹)、佐藤優平(75分:松橋優安)、井上潮音(83分:大久保嘉人)、FW山下諒也、小池純輝(75分:澤井直人)

・北九州メンバー◎GK永井堅梧、DF野口航(81分:新井博人)、河野貴志(68分:椿直起)、村松航太、福森健太、MF髙橋大悟、國分伸太郎(81分:川上竜)、加藤弘堅、新垣貴之(68分:佐藤亮)、FW町野修斗、鈴木国友(53分:池元友樹)

北九州のビルドアップを阻止

 前半、相手のお株を奪う東京Vのプレスがハマった。北九州のボランチ加藤が2CBの横に下がってビルドアップを試みると、その2CB+加藤に対して、東京Vのアタック陣(小池、山下、井上)がコースを切りながらプレッシャーをかけていく。攻撃から守備に転じた際の切り替えが早く、ボールを持たれても相手にスムーズなビルドアップを許さない。逆サイドへの展開も封じ、準備してきた対策を試合開始から見事に実行していった。

 さらにピッチ中央エリアでも東京Vは堅い守りをみせる。藤田をアンカーに置き、左右のインサイトMFに佐藤と山本を配置。相手の縦パスを防ぎ、攻撃のスイッチも入れさせなかった。

 開始直後からゲームの主導権を握った東京Vは、先制点も手にした。23分、自陣左サイドのスローインからいったんGKに戻して攻撃を作り直すと、一気に右サイド前方へとボールを送り込む。山本、山下とつないでスルスルと上げってきた藤田がボールを引き取り、相手守備陣の間を縫うように鋭い縦パスをボックス内に通す。DFを背負いながらも小池が絶妙なトラップでボールを置き、すぐさま反転しながら右足シュート。北九州のゴールを破った。

「うまく空いたところで藤田選手がボールをつけてくれた。そこでトラップが決まったので。結果的に入ってよかったです」

 殊勲のゴールを挙げた小池は淡々と振り返ったが、相手の一瞬のスキを突く好判断と正確なプレーの融合だった。それまで高い位置を取る相手サイドバックの裏を突く攻めが多かったが、この瞬間は中央から攻め入り、まんまとゴールを奪ってみせた。

 プラン通りの前半を終えて迎えた後半、東京Vは「相手の立ち位置を見て修正した」(小林伸二監督)北九州の猛攻を受けることになった。しかし、GKマテウスを中心にとした守備陣が集中力を維持し、最後までゴールは割らせない。前線でも、中盤でも、最終ラインでも北九州の選手を自由にさせず、粘り強い守りを披露。一方でカウンターでけん制しつつ、ゲームをクローズさせることに成功した。スコアは1-0だが、東京Vからすれば、盤石の勝利と言える内容だった。

「1カ月前、アウェーの地で悔しい思いをして(14節/1-2で敗戦)、その悔しさが残る中でのリベンジマッチということで、気持ちを一つに今日の試合を迎えました。選手たちは立ち上がりからプラン通りによくやってくれたと思います。毎試合思うのですが、改めて素晴らしい選手たちだなと感じる試合でした。ある程度の北九州の後ろのボール回しを想定通りで、そこからどこで奪うか、攻撃に転じるかは考えていた。守備のところでもゼロに抑えたのは、さらに成長していく上で大きな成果だと思います」

 永井秀樹監督はそう言って胸を張った。東京Vにとっては4試合ぶりの勝利となった。

「次も、さらにいい試合できるように準備をしたい」

 そう話す永井監督の表情は充実感に満ちていた。後半戦のスタートとなる試合で、首位チーム相手にリベンジ成功。これ以上のリスタートはないだろう。

取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE


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