上写真=アシストした安田と喜び合う。最高のクロス、最高のシュートだった(写真◎J.LEAGUE)
■2020年9月19日 J2リーグ第20節(@フクアリ:観衆2,705人)
千葉 2-1 岡山
得点:(千)川又堅碁、鳥海晃司
(岡)山本大貴
「守備のときにパワーが使える」
ジェフユナイテッド千葉のアカデミー育ちだから、そのトップチームで、憧れのホームスタジアムで、自分の初ゴールを決めることができて、うれしさは何倍にもなった。
「本当に小さい頃から見ていたクラブなので、素直にうれしいです。ホームで取れてよかった!」
連勝を飾ったこともあって満面の笑みだ。
千葉は開始2分に川又堅碁が先制していて、落ち着いて試合を進めることができていた。できるだけ早く追加点がほしいところで、14分、左からのFKを短くつないで安田理大から最高のクロスが飛んでくる。
「(川又)堅碁さんが前でつぶれてくれたし、みちさん(安田理大)からいいクロスが入ってきたので、合わせるだけでした」
スピードがありながらも相手を越えて落ちてくるボールは、手前で川又が相手と競り合って倒れたことでその奥にいた鳥海の右足に吸い込まれるように入ってきた。しっかりとボールに当ててゴールに送り込んだ。
これで2-0とした千葉は前半を優位に進めた。ところが、岡山が後半から2トップを山本大貴と清水慎太郎に入れ替えてきた。センターバックの鳥海としては、さらに注意力を高めなければならない。
「後半のほうが嫌だった」と振り返るこの交代によって、千葉は押し込まれ続けることになった。
「本当だったらラインを上げてコンパクトにして、全体を下げない守備をしたかったのですが、ボールホルダーがフリーになっていたりしたので、下げるシーンが多くなってしまいました。そこは反省点かな」
裏に抜けようとする山本と、空いたバイタルエリアを攻略しようとする清水の対応に追われ、この45分間はまさに防戦一方。84分にはついに失点してしまい、「(ボールの)イレギュラーがあったんですけど、僕が弾ききれば大丈夫だった」と悔やんだ。
ただ、明るい部分に目を向ければ、もう1点は奪われずに逃げ切ったのも事実だ。今季は何度も終了直前に不要な失点を食らって勝ち点を失ってきた。だから、何とか体を張って集中力を切らさずに逃げ切った勝利は、大きな進歩でもある。
「集中が高かったですね。後ろの選手が声を出して鼓舞していましたが、後ろから全体が見えているし、みちさんも(キム・)ミンギュも(新井)章太さんも話してくれるので、集中し続けることができました」
初ゴールが勝利に結びついて連勝達成と、最高の夜。そして、本職の守備で「センターバックとして攻撃より守備に力を使うというサッカーなので、守備のときにパワーを使えるようになってきました。相手との間合いが良くなってきたように思います」という実感を得たことが、何よりも宝物になっただろう。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE