明治安田生命J2リーグで7試合ぶりの勝利を手にしたジェフユナイテッド千葉。これを続けていくことが大事だと語るのが、川又堅碁だ。その勝利を自らの2ゴールで引き寄せたストライカーは、ハードに戦うと宣言する。

上写真=泥臭く、というのはまさに川又が相手を困らせるプレースタイルそのものだ(写真◎ジェフユナイテッド千葉)

「必死でしかなかったですね」

 これぞストライカーの仕事だった。J2第19節の愛媛FC戦は2-0で勝利をもぎ取ったが、開始早々の3分と44分に連続ゴールを挙げたのが川又堅碁。自身7試合ぶりのゴールでチームを7試合ぶりの勝利に導いてみせた。

 先制ゴールは左サイドから為田大貴がていねいに横パスを送ってくれて、左足を振り抜くワンタッチゴール。追加点は本村武揚が倒されて得たPKをしっかりと蹴り込んだもの。試合後には1点目を「9割ぐらい為田のゴール」、2点目を「(山下)敬大が譲ってくれた」として、仲間への感謝を忘れなかった。

 感謝という意味では、次節で対戦するファジアーノ岡山に対しても同じ感情を抱いている。2012年にアルビレックス新潟から岡山に期限付き移籍して18ゴールを量産、ストライカーとしての自分を確立した場所だからだ。

「点を取る自信はつけさせてもらいましたね。点を積み重ねることによって、ゴールを決める慣れのようなもの、当たり前に決めるという感覚が身につきました」

「間違いなくそれがあっての、その後のJ1でのプレーだったので、岡山でのプレーがなかったら……という感覚はありますね」

 だから、恩返しの一戦になる、と思うのだが、照れくさいのか「ストーリー的にはそうなるんですかね」と笑って、「あんまりそういうことは考えないかな」と煙に巻いた。ただ、とにかくがむしゃらだったあの頃を思い出すように言葉をつないでいく。

「あのときもいっぱいいっぱいで、点を取らなければJ1に戻れないと思っていました。緊張感があってメンタル面が鍛えられたし、得点感覚は持っていたけれどそれを形にするということを学びました。もう、必死でしかなかったですね」

 もう8年も前の出来事だということもあるだろうから、「楽しみといえば楽しみですが、ピッチに入ったら関係ないというか」と落ち着いて、前節の勝利をつなげていくという意識を強調する。

「先々を見据えるよりも、試合は毎回1試合しか来ないので、目の前の試合をどれだけハードに戦って泥臭く勝ち点を取るかの積み重ねだと思います。結果的に連勝すれば(上位と)差は縮まってくるので、だからまずは岡山戦です」

 豊富な経験が、そう言わせるのだろう。勝利を積み重ねることのできるチームには変わらない真理があることを知っている。

「人間誰しも波があると思うんですけど、相手にスキを見せないように同じモチベーションをみんなで高めることに集中しなければいけないんです。勝っているチームは常に同じテンションで常に同じチャレンジャーとしての気持ちでプレーできています。この前の1勝でみんなでその気持ちをぶらさずに戦いたい」

 戦う姿はハードボイルド。川又はいまの仲間とともに再びがむしゃらに向かっていく。


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