上写真=0-2の状況で町野修斗が1点差に詰め寄るゴールを挙げる(写真◎J.LEAGUE)
■2020年9月2日 J2リーグ第16節(@栃木グ:観衆1,158人)
栃木 2-2 北九州
得点:(栃)西谷優希、明本考浩
(北)町野修斗、鈴木国友
1本のシュートで仕留めるストライカー
9連勝中と波に乗る北九州だが、この日は栃木の手堅い守備と縦へのスピードに手を焼いた。
「前線からのプレッシャーであったり、攻守の切り替えだったり、(栃木は)すごく良いチームでした。僕たちがやりたいことを前半はやられてしまった。後半も危ないシーンがあって、失点もしました」
FW町野修斗は対戦した栃木の戦いぶりをたたえる。前節時点でリーグ最多28得点を挙げている自慢の攻撃力は鳴りを潜め、前半はシュート0本に終わった。町野自身も試合を通じて1本しかシュートを打てなかった。
ただ、その1本を確実に仕留めるのが町野の凄みでもあるだろう。チャンスが訪れたのは後半29分。途中出場のFW鈴木国友からのパスを受け、ペナルティーエリアの外側でワントラップして右足を一振り。栃木の両センターバックが必死にシュートを止めようと寄せてくるも、「(相手)2人の間を抜こうと思った。冷静に抜けて良かったです」と、ゴールに沈めた。
その8分後には左サイドからの浮き球をヘディングでゴール前へつないで、鈴木の同点ゴールをアシスト。逆転まで届かず「10連勝」はならなかったものの、敵地で2点のビハインドを追いついて貴重な勝ち点1を獲得した。町野は「試合を通して、お互いに質の高いゲームができたんじゃないかな」とすがすがしい表情を浮かべる。他会場では首位の長崎が2点差を追いつかれて引き分けたため、北九州は勝ち点1差を保った。
次戦は、ここまで7勝1分け1敗と強さを誇る本拠地ミクニワールドスタジアム北九州で甲府と対戦する。また新たな連勝記録を作るための再出発となる一戦だ。
「相手に引かれた状況でどのように攻撃していくかは(試合後の)ミーティングでもたぶん(話題に)出てくると思うので、話し合っていきたいです」(町野)
小林伸二監督の下で成長を続けるJ2復帰1年目のチームは、日々の課題と向き合いながらJ1の舞台へとまい進する。
現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE