8月29日、明治安田生命J2リーグは第15節が開催され、水戸ホーリーホックは愛媛FCとケーズデンキスタジアム水戸で対戦。組織的な守備の相手を攻めあぐね、いくつかの決定機も物にできずスコアレスドロー。木村祐志は攻守一体のサッカーをどう見ているのだろうか。

上写真=愛媛戦で前半はアンカー、後半は2ボランチの一角を務めた木村祐志(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月29日 J2リーグ第15節(@Ksスタ:観衆2,064人)
水戸 0-0 愛媛

「バランスを大事にしていかなければいけない」

「僕たちは今日、初めて4-5-1でやった」。そう話すMF木村祐志をアンカーに置き、中盤を厚くした布陣で水戸は愛媛との一戦に臨んだ。

「前半の入りは悪くはなかったと思うんですけれど、前半の途中あたりからちょっと疲れてきて、自分たちのプレスの良さだったりをうまく出せなくなった。給水のとき(飲水タイム)にみんなで話し合って、前半の最後のほうにはうまくハマりだしたけれど、やはり前半を通してはうまくいっていない印象でした」

 そのように、木村は振り返る。「後半は向こうとマッチアップする形」(木村)の3-4-2-1にシステムを変更し、「目の前の選手に負けないというか、一人ひとりが(役割を)まっとうして(失点)ゼロに抑えることができました。けれど、その中で1点入っていれば、勝てるゲームだったかなと思っています」(木村)。後半は途中交代のMF外山凌らがサイドから敵陣深くに攻め込むも、1点が遠かった。

 前後半を通じて11本のシュートを放ちながら、決定的なチャンスは数えるほど。今季はホームで派手な打ち合いを演じることも多く、愛媛の川井健太監督も「水戸はリーグでも1位、2位の攻撃力を持っている」と称していたが、警戒する相手にうまく抑え込まれた形となった。

 水戸はその攻撃力の反面、前節時点でリーグ2番目となる失点数(24失点)の多さも抱えている。

「守備に重きを置いたら、攻撃ではなかなか攻められない。攻撃ばかりやっていても、失点が増えてしまう。それは自分たちも分っています。そのバランスというのは今後も一番大事にしていかなければいけない。ここまで自分たちは得点を取れている自信があるので、その中でどうやって失点を減らしていくかということは、チームのみんなで話しています。守備に重きを置いた中で点を取っていくことが課題になっています」

 サッカーというスポーツは攻守一体。ゆえに奥深さがあり、難しさもある。木村祐志と水戸は勝利を重ねていくために、そのパラドックスと向き合い続ける。

現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE


This article is a sponsored article by
''.