上写真=3連勝で雰囲気は抜群。尹晶煥監督も笑顔だ(写真◎ジェフユナイテッド千葉)
何かを成し遂げよう、という意欲
「期待半分、不安半分、ですね」
尹晶煥監督は笑いながらそう答えた。8月19日のJ2第13節で相まみえる首位のV・ファーレン長崎戦を前にして、意外な一言だった。
ジェフユナイテッド千葉は5連戦の最初の3試合ですべてしっかり勝ちきる勝負強さを見せて、上向きになってきた。これで、6勝1分け5敗の5位。長崎に立ち向かうには非常に良いめぐり合わせだ。
にもかかわらず、期待と不安が半分というのはどういうことだろうか。
期待の方はもちろん、3連勝で波に乗っているから。
「この3連勝で選手たちの意識が、何かを成し遂げよう、という意欲に変わっています。それは先発のメンバーだけではなく、ベンチメンバーなどチーム全体が、です。非常に良い雰囲気です」
勝利は最良の薬と言うが、まさに右肩上がり。好調の要因に守備面を挙げるのは、尹晶煥監督らしいところかもしれない。
「まず守備の位置の選定だったりセットプレーの立ち位置だったり、セカンドボールへの反応も含めてディフェンスへの全体の意識が高まっています。いちばん大事なのは、忍耐強く守備を徹底してできていること。選手はその部分を理解してやってくれています。攻撃ではチャンスは多くなくても決めきるプレーをしてくれていますし、最後まで守るという精神力の部分が良かったと思います」
理解と忍耐でつかんだ3連勝。期待はふくらむが、残り半分の不安とは?
「前節の磐田戦はアウェーで、戻ってきて1日でまた長崎に移動するスケジュールです。やはりコンディションの問題を考えざるを得ません。うちにはきちんとした選手層がありますから、メンバー変わってもいい結果を残してくれて十分に計算できます」
「とはいえ、選手によってその日その日のコンディションの波が急に変化することもあるので、試合に合わせて最大限の準備をしていますが、難しい」
コンディション調整についてはどのクラブも悩みは大きいが、千葉にとっては特にこの磐田アウェー→長崎アウェーという中2日のスケジュールが山場になる。
「長崎はすごく強いです。全員が集中して戦う状況にならないといけないし、いい雰囲気はできていますから、これを続けていくためには勝利が必要になってきます。選手たちは意欲を見せてくれていますから、期待しています」
謙虚に「半々」とは言いながらも、やはり本音で狙うのは勝利。勝てばリーグ全体を一気に混戦に持ち込める。そんなビッグチャンスを、みすみす逃すつもりはない。