上写真=チームを引き上げるのはエースの役目。山下がゴールを誓う(写真◎ジェフユナイテッド千葉)
「僕たちならやれる」
「すごく楽しみです」と目を輝かせる。ジェフユナイテッド千葉のエース、山下敬大は、ここから5連戦が6セット、そして最後は3連戦という強行スケジュールを待ち望んでいるのだ。
「試合がしたいというか、勝って喜びたいですし、タイトできつい連戦になると思いますけど、僕たちならやれるという自信というか、それは思っています」
ここまで3勝1分け5敗で15位と本調子が出ない千葉にあって、メンバーをごっそり入れ替えた1試合を除いて8試合に出場し、開幕戦以外の7試合で先発している。ゴールは3つ。尹晶煥監督からの信頼が厚いからこそ、重責を果たさなければならない。
「使ってもらっているということに対しては僕自身、監督の求めていることはしっかり理解しているつもりです。もちろんまだまだ足りないけど、守備の部分が大きいのかなと思いますね。しっかりと前線で体を張ること、走ること、守備をすることを意識しています。あとはチャンスが来たらしっかり決めることですね」
ただ、自己評価は「平均より下」と辛め。「クオリティーの部分や決めきるところで力の無さは感じています」と厳しい批判を自分に向けている。「でも…」と続けてこう言うのだ。「試合に入ったら自信を持ってやっています。ちゃんと練習で取り組めていますから」
守備への自信の一方で、尹晶煥監督は前節のザスパクサツ群馬戦で攻撃陣のアイディア不足と単調なアクションに苦言を呈している。
「映像を見返して気づいたり監督から言われたりしているのですが、ボールを受けたときにワンタッチで落とすだけではなくて、ターンして前を向いたり流して前に出ていくというように、アイディアをもっともって増やしていかなければと思っています。受ける前に首を振っているつもりでしたけど、その回数を増やしたり遠く見るようにしたり、もっと意識していきます」
尹晶煥監督から指摘されたとは言え、群馬戦でコンビを組んだ川又堅碁との関係には好感触を得ている。「攻撃のときも守備のときもお互いの距離感を大事にしていて、常に試合中もしゃべってやれていましたね。映像も見返したんですけど、より良くなってきていると思います」。確かに2人が前線に並ぶとどちらもクロスのターゲットになるし、迫力を持ってゴールに向かうシーンも多かった。
唯一のゴールとなった先制弾は山下によるものだったが、これは左CKの流れから一度クリアされたボールを安田理大がハイパントでゴール前に飛ばし、川又が競り勝って、チャン・ミンギュと鳥海晃司に当たってこぼれたところを山下が蹴り込んだもの。セットプレーの流れでゴール前に密集していたからだとは言え、川又→山下のラインがつながったゴールだった。
楽しみな超連戦の初戦は、FC町田ゼルビアとのアウェーゲーム。「絶対に勝って帰ってきたいというのが一番です。チャンス来たら決めること。枠に飛ばしてしっかり決める。先制点を取ることが大事です」。その有言実行が、千葉の逆襲の合図になるはずだ。