明治安田生命J2リーグはいよいよ5連戦に突入する。暑さとの戦いもあり、一筋縄では行かない日程だ。そこで問われるのが監督のマネジメント。京都サンガの實好礼忠監督は「コミュニケーション」をキーワードに挙げる。

上写真=5連戦で好成績を残すために、實好監督のマネジメントが重要になってくる(写真◎KYOTO.P.S.)

アイディアをもう少し、出していきたい

 京都の夏は、暑い。實好礼忠監督も「練習も暑さとの戦いです」と笑いながら漏らしたほどだ。

 そしてこれから、5連戦。アウェーでモンテディオ山形と、ホームで水戸ホーリーホックと戦い、ツエーゲン金沢、アルビレックス新潟とのアウェー2連戦に臨んで、松本山雅FCをホームに迎えるスケジュール。特にアウェー連戦のところは中2日しかないタイトな日程だから、大きなポイントになりそうだ。

 現在、4勝3分け2敗、勝ち点15で5位につける。悪くない流れだが、全勝しているホームに対して、アウェーでは3分け2敗と、ここが改善点になりそうだ。そして、次節はアウェーゲーム。

 實好監督の見立てはこうだ。

「山形は結果は出ていないですけど、やっていることや個人のレベルを見ればいまの順位は考えられないところにあるのは間違いありません。非常に力のあるチームである、という認識でみんなで準備を進めています。アグレッシブにいくこと、守備をしっかり動かすところ、どういう風にボールを運んでいくかという部分を確認しました」

 山形は確かに1勝5分け3敗の19位で下位に甘んじているものの、負けの数は3だから多いというわけではない。5つの引き分けはリーグ最多タイで、どちらに転んでもおかしくないところまで試合を運んでいるということが分かる。そのうち3つはスコアレスドロー。守備の安定は侮れない。

 であれば、こちらの攻撃力をパワーアップさせるまでだ。

「シュート数は増えているので、アタッキングサードでアイディアをもう少し、出していきたいなと思います。映像でも確認しながら、いろいろな判断の上でしっかりプレーを選択していこう、ドリブルシュートなのかワンツーなのか3人目の動きで崩すのか、それを把握した上で選択していこうと話をしてトレーニングしてきました」

 もちろん、はっきりと狙いどころを明かすことはできないが、その慎重な言葉から、フィニッシュにかかる部分で判断の基準をすり合わせていく作業を繰り返していることが分かる。

 そんな相性のいいとは言えないアウェーで一つ勝てば、一気に波に乗っていく可能性を秘めいている。その意味では、今後の行方を決めるビッグゲームになるかもしれない。

 そのために必要なことは?

「一体感を作ることが、この過密日程に向かっていける大きなものだと考えています」と實好監督。「いま、コロナ禍にあって、着替えをする場所も離れていたりして、着替えながらゆっくり話もすることも難しい状況です。そういったことも含めて、改めてピッチの中で話していこうよ、と言っています。会話一つで解決するものもありますし、共有の場というか、3密は避けないといけませんが、みんなでいろいろな話をできるようにしていこうよ、と」

 こうして上昇ムードが醸成されていて、「みんなそれぞれが自分たちの仕事をできていますね」と實好監督も選手の意欲に目を細めている。


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