7月29日、明治安田生命J2リーグは第8節が開催された。ヴァンフォーレ甲府はアウェーで水戸ホーリーホックと対戦。前半に太田修介と松田力のゴールでリードするも、終了間際に追いつかれ引き分け。この一戦では特別指定の関口正大がJリーグ・デビューを飾った。

上写真=甲府の特別指定としてJリーグ初出場した関口正大(写真◎Getty Images)

■2020年7月29日 J2リーグ第8節(@Ksスタ:観衆978人)
水戸 2-2 甲府
得点:(水)アレフ・ピットブル、山口一真
   (甲)太田修介、松田力

大学サッカーとの二足の草鞋

 法政大学4年生のDF関口正大(この試合ではMF登録)が、Jリーグ・デビューを果たした。6月に甲府への来季加入が内定し、2020年JFA・Jリーグ特別指定選手に認定されていた。「ヴァンフォーレ甲府の為に走り、闘います!」と加入内定時にクラブを通じてコメントしたように、先発に名を連ねた背番号36は右サイドを疾走した。「チームメイトの方々が、自分がプレーしやすいようにしてくれたので、のびのびとできました」と、デビュー戦を振り返る。

 3-4-2-1システムの右ウイングバックのポジションに入り、激しい上下動を見せて、攻守にわたって存在感を放った。「スピードに乗ったドリブルはできた」と言うものの、「そこからのクロスとか、決定的なパスを出すとか、チームの勝利に貢献できるようなプレーができなかった。守備面では、相手のヘディングの失点シーンもそうですが、自分の立ち位置が甘かった。プロの世界で活躍していくためには、自分の今の感覚では足りない」と、課題も痛感した。

 また、対戦相手の水戸が前後半で左サイドの複数選手を代えてきたことにより、山谷侑士や山口一真をはじめとする多くの相手選手と対峙した。J1クラブから期限付き移籍する選手ら、高い能力を備えるアタッカーとのマッチアップに「楽しかったです」と、率直な感想を口にする。

「いろいろな選手と対峙できるのは、僕の経験にもなるし、そこで自分が通用する点、通用しない点が明白になりました。特にサイド(のポジション)をやっているぶん、(相手の)サイドアタッカーは代わってくることも多いと思うので、それに対応できる力をもっともっとつけていかなければいけないなと感じました」

 試合は後半42分に関口が退くまでは2-1とリードしていたが、後半アディショナルタイムに追いつかれてドロー。デビュー戦を勝利で飾ることはできなかった。「自分が出ている、出ていないに関係なく、全員で戦っているので、今日の結果が引き分けに終わってしまったのは、やはり悔しい部分が大きい」。それでも、「アウェーで負けなかったことはプラスにとらえていきたい」と、前を向く。

 今季はまだ、第8節を終えたばかり。キャプテンを務める法政大学での戦いも並行する中、次にJリーグの出番が訪れたときには、この一戦の反省を生かして甲府を勝利へと導く。

「チームを勝たせられる選手になる。決定的な仕事をできる選手になる。それは僕の課題でもあるし、(甲府では)攻撃に参加する回数が多くなると思うので、そこでチームの勝利に貢献できたらいいなと思います」

 二足の草鞋を履く大学4年生の新たな戦いが幕を開けた。

現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE


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