7月29日は明治安田生命J2リーグ第8節。ここ3試合で2勝1分けと上向きの東京ヴェルディはアルビレックス新潟を迎える。公式戦で一度も負けたことのない相手に、永井秀樹監督は今回はどう勝とうとしているのか。

上写真=似たようなスタイルの新潟戦を前に、永井監督が考える策とは(写真◎Getty Images)

自分たちで楽しむスペクタクルなサッカー

 東京ヴェルディとアルビレックス新潟の過去の対戦成績は、東京Vから見てJ1では3勝3分け、J2では2勝2分け。まだ一度も負けたことがない。今年は新潟が新監督を迎えて新しいスタイルの構築を進めているが、永井秀樹監督はその様子をこんな風に見ている。

「記事で読んだのですが、新潟さんは5年以内にバルセロナ(スペイン)のようにすると知りました。ボールを大事にして支配していくサッカーを目指している感じに見えますし、同じようなスタイルと言えばそうかもしれません。どちらが主導権握れるかの勝負になると想像しています」

 永井監督は自身の目指すフットボールを「基本的にマイボールで攻撃していくのがベースで、自分たちで楽しむスペクタクルなサッカーをするのは変わらない哲学です」と表現する。相手によっては東京Vを相手にすると守備に人数を割き、スペースを消してカウンターを狙う(あるいは引き分けに持ち込む)戦術を採用するところもある。アンチ・フットボール? でも、だからこそ、新潟が同系統のスタイルで向かってくるのであるならば大歓迎、正々堂々と戦うことを待ち望んでいるのだ。

「非常に楽しみですし、我々のサッカーをより長い時間やれるかどうかが勝負です。最後の部分を崩していくところまで、しっかりやっていきたい」

 もちろん、試合前に詳細を明かすはずもない。ただ、分析は進めている。

「新潟さんはローテーションで選手を回しているので、マッチアップの予想がしづらいんですけど、優位性を保てるように頑張っていきたい」

「後ろ(DFライン)を5枚にしたりと難しいですが、いろいろなパターンを想定しながら主導権を取れるように考えていきたい」

「あれだけ人も配置も変えてくるので、なかなか想定しづらいのが正直なところです。その中でも、まずは自分たちのサッカーをできるようにしていきたいと思います。それが一番、大事なことです」

 煙に巻いているつもりはないだろうが、ここまでの新潟が相手によって布陣に微調整を加えているからこそ、逆に攻めどころも見えているようだ。

「いろいろあるんですけど、少し戦略にかかわってくるので何とも言えませんが、カギはどちらがボールを持てるかというところかな。新潟の守備ももちろん改善されているだろうし、その中で我々がスカウティングする中での新潟さんのちょっとしたスキや入っていけるスペースを探りながら、当日に選手に伝えたいと思っています」

 そんな攻撃のポイントは、「守備」かもしれない。

「このチームの立ち上げから取り組んでいるのが『リターン・ザ・ボール』。ボールを取り戻すということですが、『RB』という名前をつけていて、その質が向上してきています。さらにRBの質を継続して上げていきたいと思います」

「守備的に何かを考えることはありませんが、サッカーの競技性からマイボールのときと奪い返す守備をする時間があるので、どちらも質を高めていきたいと思います。選手は理解して本当によくやってくれています」

 矛と矛の壮絶な攻め合いになるのか、それとも新潟が盾で矛を隠して挑んでくるのか。いずれにしろ、東京Vが矛を収めることだけはないだろう。


This article is a sponsored article by
''.