上写真=チームのために汗を流すのが米倉の流儀(写真◎ジェフユナイテッド千葉)
「仲間を助けるプレーをしたい」
ジェフユナイテッド千葉の黒星が先行している。7節を終わって3勝4敗。4つの敗戦に共通するのはすべて1点差というところで、大宮アルディージャと栃木SCに0-1、東京ヴェルディとヴァンフォーレ甲府には1-2で屈した。あと少しなのに、の悔しさが募る。
米倉恒貴の目に見えるのは、「安定性」の欠如だという。
「連勝できていなくて、そのチャンスを落としています。揺るがない、安定したところを毎試合で出せればいいと思っています」
今年から尹晶煥監督がクラブにやってきて、中断期間もあったが、まだ7試合しか戦っていない。チーム作りの途上にありがちな焦りは禁物だと指摘する。
「いままでとはガラッとやり方を変えて、継続してチャレンジしているところです。もちろん、結果がついてくればいいけれど、難しいところもあります。でも、ブレなければ結果が出ると思っているので、そこまで悪い雰囲気ではないですよ」
現在連敗中。東京V戦と甲府戦はいわば両極端なゲームだったが、だからこそ方向性が定まったことを示唆している。
「甲府はかなり引いてくれたので、自分たちでボールを持って攻められました。逆にヴェルディのように、相手が持ってくるチームに対してはもっと取りにいかないといけない。相手によって自分たちで判断して、行ったほうがいいか行かないのか、しっかり考えてプレーできればいいと思っています」。つまり、ピッチの中の選手が一体になって自分たちで戦い方を選択すべきだ、という原点だ。
その意味では、米倉のような経験豊富な選手によるゲームコントロールがカギを握るのではないだろうか。今季は右サイドハーフで躍動していて、同じくベテランの右サイドバック、田坂祐介との縦のコンビネーションが武器になっている。
「自分としては、サイドハーフで出るのならゴールやアシストといった、ゴールに絡むプレーを目指してやっています」
「山形はチームとして連動して守備をしてくるいいチームだと思います。そこを自分たちがどう崩すかですね。中に強い選手がいるのでクロスを上げてというのが自分たちの特徴だけど、この前の試合をベンチから見て思ったのは、クロスへの入り方も、ただ待っているだけではなくて、誰かが潰れ役というかチームのために犠牲にならないといけないということです。自分が出たら、仲間を助けるプレーをしたいと思っています」
今年は山下敬大やクレーベ、川又堅碁、櫻川ソロモンといった、身長180センチを超える、人に強いストライカーを擁している。自分のサイドからは最高のクロスを送り込み、そして逆サイドからのクロスに対しては、自分が犠牲になってもいい覚悟で泥臭くもゴール前に入っていき、彼らを生かす。
ゴールを奪うための「2つの顔」が、反撃の夏のパワーになる。