上写真=水戸ホーリーホックの新社長に就任した小島耕氏(右)と沼田邦郎・前社長(写真◎サッカーマガジン)
「アジアに飛び出していくことが一つの目標」
7月16日、J2の水戸ホーリーホックを運営する『株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホック』は取締役会の開催。役員人事により、12年間にわたり代表取締役社長を務めた沼田邦郎氏に代わり、代表取締役副社長を務めていた小島耕氏が新社長に就任した。それに伴い、Jリーグ理事会における水戸ホーリーホックの実行委員も沼田・前社長から小島社長へと変更された。
「一番大事なのは、事業、運営面において、しっかりとした経営をしていくことだと思います。トップチームが勝つことだけが目標ではありません。フットボールクラブ水戸ホーリーホックという会社が、素晴らしい会社であり続けること。これが地域への一番の恩返しになると思っています。私たちは、地域に根差し、地域に愛されるクラブを作る。一歩ずつかもしれませんが、必ず日本で誇れるクラブになる、アジアに出ていけるクラブになる。そういうクラブを目指していきたいと思っています」
取締役会後に行なわれた会見の席で小島社長は、そのように抱負を語った。
7月24日に46歳の誕生日を迎える小島社長は茨城県鉾田市出身。高校時代は水戸市の私立校に通った。その後大学を経て、サッカー専門紙の編集職やスポーツ関連映像制作会社の営業職などを歴任。水戸ホーリーホックには、2019年4月から取締役として運営に携わり、今年6月25日に代表取締役副社長となった。それからわずか3週間、馴染みのある地元を本拠地とするクラブの舵を取ることとなった。
水戸ホーリーホックは今季、秋葉忠宏監督や16人もの新加入選手を迎え入れるなど、昨季からチームの面々が変わった。各部門のクラブスタッフも増員し、新たな道を進んでいる。沼田・前社長も、就任当初の12年前と現在を比べ、変わったのは「社員の数」と振り返っている。その中で、小島社長はクラブの目標として「アジア進出」を掲げる。
「トップチームがACLに出ることも、当然アジア進出です。ただ、私たちが市場をどこに求めていくのかというと、それもアジアです。クラブのマーケティング的にも、子どもたちへの普及の面でも、クラブで行なっているすべての事業面に関してアジアに向かっていくという意味で、私は『アジア』という言葉を使っています。まだまだ足元を固めていかなければいけない状況ですが、アジアに飛び出していくことが一つの私たちの目標です。アジアに飛び出していくことで、アジアからこのホームタウンに人が集まってくる。それが、地域を盛り上げることにもつながっていくと思っています」
小島新社長の下での新たな船出を迎えた水戸ホーリーホック。J1昇格、そしてアジア進出に向けて、これからも前進していく。