7月15日、明治安田生命J2リーグ第5節が開催され、水戸ホーリーホックは松本山雅FCとドロー。前半に2点を先行しながらも後半に追いつかれた。今季新加入のブラジル人FWアレフ・ピットブルが1ゴール1アシストの活躍を見せるも、勝ち点1獲得にとどまった。

上写真=J初得点となる先制ゴールを決めたFWアレフ・ピットブル(写真◎J.LEAGUE)

■2020年7月15日 J2リーグ第5節(@Ksスタ)
水戸 2-2 松本
得点:(水)アレフ・ピットブル、山田康太
   (松)セルジーニョ、塚川孝輝

「気持ちのゴール」

 昨季はJ1で戦っていた強豪・松本を相手に、水戸の猛犬が牙をむいた。180センチ、85キロの大きな体を駆使して味方からのパスを収め、前を向いてボールを持てば相手ゴールへドリブルで突進。48番を背負うブラジル人は、加入後初めてのスタメン出場で躍動した。

 その名はアレフ・シウバ・メロ。登録名は『アレフ・ピットブル』だ。今季開幕前の2月にポルトガルのベルソSCから水戸へとやってきた王国産ストライカーは、再開後初戦の群馬戦を皮切りに4試合連続出場中。しかし、途中出場となった前節までの3試合は「なかなか結果を出せなくて悔しい思いをした」(ピットブル)という。それだけに、「今日は何とかして結果を出すことを求めて、試合に臨んだ」と、松本戦に懸ける思いは人一倍に強かった。

 その思いが実を結んだのは前半43分。FW奥田晃也からのスルーパスを受けて、ゴール前に進入。トラップが大きくなった瞬間に相手DFのタックルに遭うも、直後にMF山田康太のシュートのこぼれ球がピットブルの元へ。倒れながらも右足でゴールへ蹴り込み、J初得点となる先制ゴールを挙げた。側転からバク宙のパフォーマンスも披露し、ケーズデンキスタジアム水戸に詰めかけたサポーターから拍手を浴びた。「まさに信念というか、気持ちのゴールだったと思います」と、ピットブルは初ゴールを振り返る。

 さらに、活躍はゴールだけにとどまらない。5分後の前半アディショナルタイムには、MF山口一真からペナルティーエリアの左でパスを受けると、ふわりとしたクロスをゴール前へ。このボールにMF山田康太がヘディングで合わせ、ゴールネットを揺らした。ピットブルのアシストから、チームの2点目が生まれた。

「なかなかスペースがない状況だったので、うまく隙間を見つけてクロスを上げられました。それにうまく(山田)康太が合わせてくれて、康太のゴールをアシストできて、非常にうれしいです」

 1ゴール1アシストと2得点に絡む大車輪の活躍を見せて、後半17分に途中交代。しかし、チームはその後に同点に追いつかれてドローに終わり、ホームでの今季初勝利を手に入れることはできなかった。

「今日はホームゲームなので、最初から勝ちに行って、しっかりとホームで勝つことを頭に入れて臨んだ試合でした。でも、残念ながら追いつかれて、勝ち越すことはできなかった。本当に悔しい」

 ただ、いつまでも勝利を逃して打ちひしがれてはいられない。中3日を経て、7月19日には第6節町田戦が待ち受ける。次こそホームで勝利を手にするため、ピットブルはすでに町田との一戦に照準を合わせる。

「今日の残念な気持ち、悔しい気持ちを生かして、次の日曜日の試合(第6節町田戦)では勝ち点3を勝ち取りたい。まだまだ伸びるところがあると思うし、もっとチームの勝利に貢献する必要があるので、これからもまたいい準備をして、気持ちを切り替えて次の試合に備えたいです」

 どん欲に結果を求めるピットブルは、水戸でのさらなる活躍を志す。

現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE


This article is a sponsored article by
''.