FC町田ゼルビア戦に後半から登場した東京ヴェルディの藤本寛也がきっちりと仕事をやってのけた。アディショナルタイム(AT)にチームを救うPKを決めたのだ。10カ月ぶりの公式戦出場ながら存在感を示し、チームに勝ち点1をもたらした。

上写真=後半から登場したキャプテン藤本寛也。公式戦のピッチは昨年8月以来だった(写真◎小山真司)

■2020年6月27日 J2リーグ第2節(@味スタ)
東京V 1-1 町田
得点:(東)藤本寛也
   (町)平戸太貴

・東京Vメンバー◎GK柴崎貴弘、DF若狭大志、高橋祥平、平智広、奈良輪雄太、MF小池純輝(46分:山下諒也)、藤田譲瑠チマ(88分:クレビーニョ)、井上潮音(登録はFW/78分:河野広貴)、MF井出遥也(46分:藤本寛也)、佐藤優平、端戸仁
※実際の並びで表記

・町田メンバー◎GK秋元陽太、DF小田逸稀、深津康太(90分:酒井隆介)、水本裕貴、奥山政幸、MF吉尾海夏(83分:中島裕希)、髙江麗央(90+2分:李漢宰)、佐野海舟、ジョン・チュングン、平戸太貴、FW安藤瑞季

決めてくれると信じていた(永井監督)

 試合開始早々にFC町田ゼルビアに先制され、ビハインドを背負った状況で後半から、藤本は登場した。昨年8月11日の鹿児島戦で、右膝前十字靭帯と半月板を損傷。全治8カ月の重傷を負った。あれから10カ月を経て、ついにキャプテンが公式戦のピッチに帰ってきた。

 前半、キャプテンを務めた佐藤優平から黄色い腕章を受け取り、左腕に巻いてピッチに入った。永井秀樹監督は「得意のスルーパスを通すように」指示したと明かしたが、町田が築く2ライン間でボール受け、パスを配り、敵の間を突いて攻撃のリズムをつくる。チームの意図は明らかだ。ハードワークで鳴らす相手に、ボールを走らせることで対抗。後半、その中心に藤本はいた。

 それでもゴールまで到達できずにいたが、アディショナルタイムにキャプテンが大仕事やってのける。山下諒也がそのスピードを生かして獲得したPKのキッカーを務めた。

「蹴ろうと思っていました。クレビーニョもボールを差し出してくれたんで、思いっきり蹴りました。何も考えずに、強気でいこうと。ちょっと緊張しましたけど」

 指揮官も「決めてくれると信じていた。自分のサッカーを100パーセント理解してくれている。彼が加わることでチームのパフォーマンスも上がる」と全幅の信頼を寄せる藤本の得点で、東京Vはリーグ再開初戦で勝ち点1を手にすることになった。

「久しぶりの公式戦だし、あまり試合もせずにピッチに立ったので、感触的には自分の納得いくものではないですけど、これから調子を上げていって良いプレーができればいいかなと」

 100パーセントの状態にはないながらも、やってのけたのは重要な仕事。本人にすれば、まだ一歩を踏み出しただけにすぎないが、指揮官の言う通り、チームにとってその復帰は大きな意味を持つ。

現地取材◎佐藤 景 写真◎小山真司


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