自信を持って臨める
大きな自信の塊が、その背中越しに見えるようだった。次々に威勢のいい言葉が飛び出してくる。ただし、余計な気負いは混じっていない。
「練習試合をやってきて、そこそこやれたという印象があります。それを、実際のゲームでどれだけ表現できるか。自信を持って再開マッチに臨めます。なかなかいい準備ができたと思っています」
「攻撃面では(林)陵平が入ってターゲットができたのが開幕戦とは違うところですね。加えて、サイドの崩しや展開の部分の精度が上がってきています。それ以外も奥野監督からの落とし込みが鮮明になりました」
「守備も同様に、スライドの部分を確認できています。これぐらいでいいと思っていたポジショニングが、実はそれではダメなんだとミーティングで指摘されて細かく調整できています」
「練習試合では納得できる形で守ることができたのが一番良かったところです。攻撃に転じたときのスムーズな流れも、開幕戦(●0-3アルビレックス新潟)のときよりもできていたので、自信を持って臨めると思います」
「いよいよ始まるという思いで、選手はみんな熱くなっていますね。今季は総力戦ということで、全員にチャンスが巡ってくるかもしれないけれど、巡ってくるようで巡ってこないかもしれません。そこは一人ひとりが監督に使ってもらえるようなプレーしなければなりません。競争はいままで以上に厳しくなります」
いますぐにでもピッチに飛び出しそうな勢いだ。
連戦の不安は楽しみに変える
さすがはキャプテン。チーム全体を見渡して、仲間の気持ちを引き締める。だから自分にも求めるものがある。
「試合中の声かけについては、戦術的な内容が主になるでしょうね。ただ、終盤になってくれば疲労もありますから、鼓舞する声も必要で、そこは後ろのポジションにいる僕が出していって盛り上げたいと思っています」
懸案は超連戦となるスケジュールだ。どのクラブも条件は同じとは言え、覚悟は必要になる。だが、連戦の不安も楽しみにつなげる思考回路を持っているところは頼もしい。
「心と体の準備が大事になってくると思います。どうしても疲労はあるので、頭の中はすっきりしないと、ですね。それができる選手が集まっていますし、もう次の試合が来て楽しいな、というのはプロならではじゃないですかね。とにかく楽しんでやりたいです」
「勝ったときはどんどん試合をして流れのままいきたいですし、負けてもすぐに切り替えて次の試合で勝てれば、どんどん勝ちたいという思いが募ってきます。だから、すぐに切り替えのできる試合がやって来るのはラッキーかなと思ったりもするんです」
こんな漢に率いられるチームメートは幸せだろう。キャプテンマークを巻いた背番号32は6月27日、J1、J2、J3のリーグ戦合計で319試合目のピッチに堂々と立たんとしている。