サンフレッチェ広島とファジアーノ岡山の練習試合が、3月11日にエディオンスタジアム広島で行なわれた。関係者以外は非公開、無観客の一戦で同点ゴールを決めたFWイ・ヨンジェは、ファンへの感謝を口にした。

上写真=関係者だけに公開された練習試合。好天に恵まれたエディオンスタジアム広島のスタンドに観客の姿はなく、選手やスタッフの声だけが響いた(写真◎石倉利英)

FKにヘッドで合わせる

 サンフレッチェ広島とファジアーノ岡山の練習試合は45分×4本で行なわれた。現状の主力と目されるメンバー同士が対戦した2本目までの90分間は、広島が33分にFWレアンドロ・ペレイラのゴールで先制したものの、岡山も42分にFWイ・ヨンジェが決めて同点。2本目は両チーム得点なく、1-1の引き分けに終わっている。

 イ・ヨンジェのゴールは、MF上田康太の右からのFKにヘッドで合わせたもの。今季開幕後の公式戦と練習試合で無失点だった広島から奪った貴重な1点を、イ・ヨンジェは「練習から準備してきたセットプレー。康太さんのボールが素晴らしかったので決めることができた」と振り返った。

 イ・ヨンジェは2月23日のJ2リーグ開幕戦、ツエーゲン金沢戦でも1-0の勝利に導く決勝点を挙げている。好調を持続していることをうかがわせるゴールとなったが、「練習試合と公式のリーグ戦はまったく違うもの。いまは良い状態ですが、リーグ戦が再開したときも好調を維持していられるように意識したい」と今後に目を向けた。

 この日は練習試合ながら、広島のホームゲーム会場であるエディオンスタジアム広島で行なわれた。両クラブや報道関係者のみに公開されたため、スタンドで見ていた人はメインスタンド側にいるわずかだけで、公式戦の無観客試合と同じような雰囲気となっている。

「もし無観客試合が実施されれば、こういう状態になるが」と質問されたイ・ヨンジェは、「仮に無観客でも試合は試合。集中して、やるべきことをしっかりやることは変わらない」とコメント。一方で続けて「こうやってファンの方々がいない中で試合をして、普段ファンの方に支えてもらい、応援してもらっているありがたさを、あらためて感じた」と語り、応援してくれる人々への思いを新たにしていた。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英


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