1月9日、東京ヴェルディが梅本大介氏のゼネラルマネージャー就任を発表した。Jクラブが選手経験のない人物をGMに起用するのはまりない。羽生英之社長は「本当の意味でのGMが必要。クラブのキーマンになってほしい」と就任理由を説明し、期待を語った。当の梅本GMはどんな考えを持ち、何をやろうとしているのか。前編後編の2回に渡って、新生ヴェルディのキーマンのインタビューを掲載する。

チャレンジするヴェルディ

画像: 東京ヴェルディのブランド力をより高めたいと梅本GMはいう(写真◎BBM)

東京ヴェルディのブランド力をより高めたいと梅本GMはいう(写真◎BBM)

――そこから実際に、組織の中に入ることになったのはどうしてなのでしょうか。

梅本GM 羽生社長も「確かにそうだし、自分もそう思っていた」ということをおっしゃられていたのですが、そんな中、竹本一彦さん(前GM)が2021年にベレーザのプロ化を前にその立ち上げ準備の仕事に当たらなければいけないということになり、女子部門専任のGMになられることになりました。そこから話がさらに進み、「外部からまたGMを探して連れてくるくらいなら新しいことにチャレンジするのがこのクラブのDNAでもある。この際だから、ビジネス人材がGMをするというチャレンジをクラブもするので、梅本自身がGMにチャレンジしてみないか」というお話を昨秋くらいに頂いた、という流れです。

――これまでと関わり方が変化することに躊躇はありませんでしたか。

梅本GM 先ほどもお話ししました通り、アカツキの人間がその仕事を絶対にやるべきではないと思っていましたし、正直な話、私自身がGMをやりたくてアカツキやヴェルディに携わってきたわけではなかった。なので、面食らいましたし、躊躇したのは事実です。

 しかし、期待していただいたり、これからクラブとして新しいチャレンジをしていくということを羽生社長が言っている中で、自分がこのクラブの役に立てるのならと、私自身もチャレンジさせて頂きたいと思うようになりました。

 やらせていただくからには、勝負の世界の仕事ですから、結果が出なかったらクビになるという中でやるべきです。そしてそれは出向なり、社外取締役の立場でやる仕事ではないだろうと。やるからにはアカツキを辞めて、監督や選手と同じような立場でやらないといけない。そう思って今の立場になりました。

 もちろん、アカツキでも責任ある立場をやらせてもらっていたので、すぐに「ヴェルディに請われたから辞めます」というわけにはいかなかったのですが、アカツキの経営陣も、最後は「梅本がやりたいなら」と認めてくれて、応援してくれました。それで調整や引継ぎなどを終えて、1月にようやく就任という段取りになりました。

――今後、東京ヴェルディとアカツキとの関係は変化するのでしょうか。

梅本GM そこは変わりません。私がアカツキにいるときに「ぜひ、やりたい」と言って、東京ヴェルディとの関係が始まったというのは事実ですが、当然、会社と会社のお付き合いですし、私の後任としてアカツキの人間がヴェルディの社外取締役も選任されました。スポンサー契約も、もともと2021シーズンまでの3年契約ですから、その関係も変わりません。

 アカツキとして梅本を送り込んで経営にもっと踏み込むということもありませんし、逆に梅本が去ったからアカツキが退くということでもありません。アカツキはこれまで通り株主として、コーポレートパートナーとして、今後も応援するということを言ってくれています。

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●Profile
うめもと・だいすけ◎1977年 東京都生まれ。関西学院大学卒業後、2002年ソニー株式会社入社。株式会社ディー・エヌ・エーを経て経営コンサルタントとして独立。2017年に株式会社アカツキに入社。2019年4月より東京ヴェルディの社外取締役を務める。2020年1月、アカツキを退職し、東京ヴェルディのゼネラルマネージャーに就任。


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